お役立ち情報トップ

運転日報とは?書き方やテンプレートを紹介!

運送事業を営む企業や、社有車を保有している企業では運転日報を作成する必要がありますが、効率よく確実に作成するにはテンプレートや自動作成ツールが有効です。この記事では運転日報の書き方、運転日報に記載すべき項目、そしてダウンロードをしてその日から使える無料のテンプレートをご紹介します。

運転日報とは?書き方やテンプレートを紹介!

運転日報とは?

運転日報とは、運転者の氏名や運転日時、走行距離などを記録した書類のことを言います。トラック運送など一般貨物自動車運送事業を営む企業では「貨物自動車運送事業輸送安全規則」により、運転日報の記録と保管が義務付けられており、一般企業でも一定数の社有車を保有する場合は道路交通法施行規則により、運転日報の記録・保管が必要です。

運転日報の備え付けは、安全運転管理者の必須業務の一つ

道路交通法施行規則第9条の8では、「乗車定員11人以上の自動車は1台以上、それ以外の自動車は5台以上を使用している事業所(自動車使用の本拠)は安全運転管理者の選任が必須であるとされていますが、安全運転管理者のおもな業務の一つとして、運転の状況を把握するために必要な事項を記録する日誌を備え付け、運転を終了した運転者に記録させることを義務付けています。

●運転日報の記録とは

運転者氏名、運転の開始日時と終了日時、運転した距離、そのほか、自動車の運転状況を把握するために、運転を終了した運転者に日誌へ必要な事項を記録させることです。

運転日誌は一ヶ月後に回収し、安全運転管理者は走行記録や運行状況を把握します。この時、走行距離や業務内容のほか、長時間労働になっていなかったか、休憩は適宜取れていたかなど、労務管理の点でも内容を確認します。

なお、運転日報は、公安委員会により、提出を求められる場合もあるため、最低1年間は保存しておかねばなりません。

車両管理・アルコールチェックの課題解決をSmartDrive Fleetがサポートいたします。以下から気軽にご相談ください。

運転日報の書き方と具体的な記載内容

運転日報に記載すべき8つの必須項目

貨物自動車運送事業輸送安全規則8条において次のように記されています。

貨物自動車運送事業輸送安全規則8条(乗務等の記録)

一般貨物自動車運送事業者等は、事業用自動車に係る運転者の乗務について、当該乗務を行った運転者ごとに次に掲げる事項を記録させ、かつ、その記録を1年間保存しなければならない。

一  運転者の氏名

二  乗務した事業用自動車の自動車登録番号その他の当該事業用自動車を識別できる表示

三  乗務の開始及び終了の地点及び日時並びに主な経過地点及び乗務した距離

四  運転を交替した場合にあっては、その地点及び日時

五  休憩又は睡眠をした場合にあっては、その地点及び日時

六  車両総重量が八トン以上又は最大積載量が五トン以上の普通自動車である事業用自動車に乗務した場合にあっては、貨物の積載状況や集貨地点など

七  道路交通法(昭和三十五年法律第百五号)第六十七条第二項に規定する交通事故若しくは自動車事故報告規則(昭和二十六年運輸省令第百四号)第二条に規定する事故(第九条の二及び第九条の五第一項において「事故」という。)又は著しい運行の遅延その他の以上な状態が発生した場合にあっては、その概要及び原因

八  第九条の三第三項の指示があった場合にあっては、その内容

出典:貨物自動車運送事業輸送安全規則 | e-Gov法令検索

上記をわかりやすく説明すると、次の項目を記載することになります。

  • ドライバーの氏名
  • 自動車の車種・ナンバー
  • 乗務の開始日時と終了日時
  • 行き先
  • 乗務距離
  • 運転を交替した場合は交替した場所と日時
  • 休憩や睡眠をとった地点と日時
  • 大型車の場合は貨物の積載状況など
  • 事故や大幅な遅延が発生した場合はその有無と原因

また、運送業ではなく、業務用の社有車を保有する企業の場合、記載すべき必須項目は次の4点です。

  • ドライバーの氏名
  • 乗務の開始日時と終了日時
  • 乗務距離
  • その他、自動車の運転状況を把握するために必要な事項

上記は最低限、運転日報に盛り込む項目ですが、これ以外にも、業務内容、業務にかかった時間、給油状況、点検記録などを追加することで状況をしっかり把握し、業務の効率化やコスト削減につなげることができます。

以下で紹介するテンプレートでも上記項目を満たせますが、車両管理システムを用いて全項目を自動生成できます。以下資料へ分かりやすくまとめてありますので、ご活用下さい。

テンプレートを活用しよう

ここからは無料でダウンロードをして利用できる運転日報のテンプレートをご紹介します。

運送事業を営む企業向け

運送事業を営む企業の場合、先ほどご紹介した8つの項目を記載できれば、指定のフォーマットは不要です。都道府県や支部のトラック協会がテンプレートを公開していますので、こちらを参考に必要に応じて自社でカスタマイズしてください。

社有車を保有する企業向け

テンプレートについては、日本法令のサイトで紹介されているものが一番シンプルです。必要項目がある場合は自社で追加できるように、PDFではなくExcelシートを使用すると良いでしょう。必要事項に追加するものとしてライトやエンジンオイルなど使用前の点検項目、ガソリンやオイルなどの燃料購入の有無もあると便利です。そうすることで、運転日報をドライバーの管理だけでなく、車のメンテナンス管理にも役立てることができます。

手書き運転日報の課題

現在においても、多くの企業が手書きの運転日報を運用しています。運転日報については、必須項目の記載と毎日の記録ができていれば紙でもデジタルでもどちらでもOKとされていますが、紙の日報はデジタルと異なり、次のような課題があります。

日報を書く作業に負担がかかる

本来の業務で忙しいドライバーにとって、日報作成は大きな負担です。なかには、日報を書くのに毎日30分ほど残業をしているという話も少なくはありません。また、月末、四半期ごとに統計を取るために、ドライバーが提出した日報の内容を手入力でエクセルに情報を入れ直すという管理者もいます。データを集計して分析するには重要な作業かもしれませんが、互いに大きな負担がかかっているのです。

ドライバーの字が汚くて読めない、または誤字脱字が多い

忙しいのでどうしても走り書きや雑な文字になってしまうということも少なくはありません。また書き忘れや誤字があると、管理者もその都度確認しなくてはならず、内容の修正に時間がかかってしまいます。

運転日報の保管は1年間。紙をファイリングするか、データで保管をするか

紙の管理だと紛失のおそれがある

紙で運用している企業も少なくはありませんが、毎日、毎月、毎年と、ひたすら紙が増え続けることになり、ファイリングの手間と保管場所のスペース確保が必須となります。また、インデックスなどで整理しているとはいえ、振り返りをする際も、ファイルを取り出し、一ページ一ページめくりながら探す作業は、ドライバーが多い企業であればあるほど多大な時間を要します。

電子データならスマートに保存できる

日報の保管については、必ずしも紙である必要はなく、電子データとして保存することも認められています。ただし、データの編集や改ざんができないこと、編集履歴が残せるようにする仕組みがあるものを利用しましょう。

●ISO9001の視点から見た「運転日報」の立ち位置

ISO9000シリーズは、国際標準化機構による品質マネジメントシステムに関する規格の総称です。そのうち、ISO9001は、もっとも普及しているマネジメントシステム規格であり、全世界で170ヵ国以上、100万人以上の組織が利用をしているものです。業種や業態を問わず、あらゆる組織が利用し、認証を取得できますが、その品質を証明するために仕組みの構築やルール作り、それに準ずるマネジメントシステムの運用や改善をしなくてはなりません。

ISO9001では、一貫した製品・サービスの提供、顧客満足の向上を目的としており、取得企業は法令遵守(コンプライアンス)の推進、業務効率の改善や組織体制の強化、KPIの管理やリスクマネジメント、継続的な改善による企業価値の向上など、多くの効果が期待できるとされています。ISO9001を取得している企業では、定期的に外部や内部の監査を実施されていますが、内部監査では、適合性と有効性を重視してチェックがなされます。

適合性:構築したマネジメントシステムが規格の要求事項と合致しているかどうかを評価する指標

有効性:マネジメントシステムが組織の役に立つ状態にあるかを評価する指標。顧客満足度向上のために寄与しているか。

運転日報に話を戻すと、日報を見直し、現状のフローを変更したり、業務や労務環境の改善に向けた施策を実施したりしているかが重要なポイントになります。業務改善は社内のリスクマネジメントはもちろんですが、サービス品質の向上にもつながるのです。

運転日報を活用して有用な車両管理を

運転日報本来の目的は安全な運行を確保することと、ドライバーの安全を守り、健康を保つことですが、運転日報はただ記録・保存するだけのものではありません。

運転日報は活用してこそ意味を持つ

必須項目に加え、給油時間や頻度のほか、ドライバーが気づいたこと、感じたことなどちょっとした変化を記録することで車両の不具合が原因の事故防止につながったり、稼働の見直しを図ったりすることができます。有効活用することでリスクマネジメント、労務管理、働き方改革、コスト削減など、多くのメリットが得られるでしょう。

多角的な車両管理を実現する「運転日報のデジタル化」

Excelへの入力や紙での管理は、費用面での負担は非常に少ないものの、作成と管理にかかる時間と手間を考慮すると、より効率的かつ確実に管理できるシステムを利用するというのも一つの手です。

スマートドライブの「SmartDrive Fleet」は、取得した走行データをもとに運転日報を自動で作成できるほか、動態管理やドライバーの運転診断機能も備えています。ドライバーは専用のアプリから簡単な入力できるため、作成にかかる時間が大幅に短縮できます。

●管理者のメリット

  • 運転日報と走行履歴をデータとしてわかりやすく管理できる
  • ドライバーごとの走行データが一日単位で自動集計できるため、改善点が見出しやすくなる
  • CSVやエクセルで出力、A4サイズで印刷できる
  • 月報としても利用可能

集計業務や管理業務の手間が省け、具体的な施策を検討するための時間を確保できる

●ドライバーのメリット

  • 運転日報の作成業務にかかっていた時間を大幅に短縮
  • 抜け漏れを防ぎ、正確な情報を記載できる
  • 業務や走行距離・時間が明確に分かることで労働環境の改善につながる

まとめ

デジタル化によってスマートに管理・保存し、なおかつ働き方改革や生産性向上につながる運用が可能になります。紙の管理に要していた時間を大幅に短縮し、企業の成長に向けた一歩先の運転日報活用を進めてみませんか。

筆者紹介

株式会社スマートドライブ
編集部

株式会社スマートドライブ編集部です。安全運転・車両管理・法令遵守についてわかりやすく解説します。株式会社スマートドライブは、2013年の創業以来、「移動の進化を後押しする」をコーポレートビジョンに掲げ、移動にまつわるモビリティサービスを提供しています。SmartDrive Fleetは、1,300社以上への導入実績があり、車両に関わる業務の改善や安全運転の推進などに役立てられています。また、東京証券取引所グロース市場に上場しています。 SmartDrive Fleetは情報セキュリティマネジメントシステム適合性評価制度「ISMS認証(ISO/IEC 27001:2013)」を取得しています。

Page
Top