コネクテッドカーとは? -車が単なる乗り物を超えた時代

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メディアを見ていると毎週のように自動運転に関する話題が目に飛び込んでくるようになりましたが、完全にシステムが自動で運転してくれる車の実現は、もう少し先のことになりそうです。

それより先に広がっていくと言われているのが「コネクテッドカー(Connected Car)」と呼ばれるもの。インターネットに、そして車内で完結せず社会と車が繋がっていく時代はすでにもう訪れています。

今回はコネクテッドカーの概要や、具体的な事例を紹介しながら現在、そしてこれからの車について考えていきましょう。

そもそもコネクテッドカー(Connected Car)とは?

コネクテッドカーとはそもそもどんなものを指すのでしょうか。まずは総務省が発行している情報通信白書の説明を見てみましょう。

コネクテッドカーとは、ICT端末としての機能を有する自動車のことであり、車両の状態や周囲の道路状況などの様々なデータをセンサーにより取得し、ネットワークを介して集積・分析することで、新たな価値を生み出すことが期待されている。具体的には、事故時に自動的に緊急通報を行うシステムや、走行実績に応じて保険料が変動するテレマティクス保険、盗難時に車両の位置を追跡するシステム等が実用化されつつある。(「情報通信白書(平成27年版)」より)

要は、コネクテッドカーとは通信端末を介して社会に繫がった車のことを指します。単に自動車がインターネットに繋がったというよりも、それを超えてもはや自動車自体が1つのデバイスのような存在になったと言えるかもしれません。

コネクテッドカーとIoT

そもそもコネクテッドカーが登場した背景には何があるのでしょうか。

各自動車メーカーやIT企業の日々の研究・長年積み重ねてきた試行錯誤の結果ももちろんですが、以下のような技術の発展が大きいと言われています。

  • 無線通信技術の発展 : リアルタイムで大量の情報のやり取りが可能に
  • クラウドサービスの発達 : 大量のデータの蓄積、分析、流通が可能に
  • 情報通信端末の進化 / スマホの登場 :  安価で入手しやすく、代替も可能に。

これは何も自動車だけに限った話ではありません。

ここ1,2年でニュースや新聞、雑誌や書籍などで「IoT」というキーワードを目にする機会がかなり増えたように思います。「Internet of Things」の略で「モノのインターネット化」として紹介されるように、身の回りにある様々なモノがインターネットに繋がり、今までにない新しい価値を生み出すようになったことから、一気に話題になりました。

インターネットと繋がり、1つのデバイスのようになった車がコネクテッドカーだと説明しましたが、車だけでなく、例えば自宅や職場にあるエアコンのような家電製品から、鍵(スマートロック)などもIT化しています。もっと視野を広げた「スマートホーム」「スマートシティ」というキーワードも耳にする機会が増えました。

Photo credit: pestoverde

雑誌や書籍などでは、コネクテッドカーをIoTの1つの事例として紹介しているものも多いですが、このような技術の発展や時代の流れが背景にあり登場したというわけです。

ドライバーにとって何がかわるのか

コネクテッドカーでは周囲の交通状況や、走行速度やブレーキの頻度といった自動車の運転状況、走行距離などといった様々な「運転・交通に関するデータ」を取得・分析します。それらのデータを運転のサポートや危険な状況の察知・防止、車の状態診断、保険などのサービス提供などに活用していくのです。

ドライバーは交通事故防止や渋滞緩和、幅広いサービスの利用など、従来よりもさらにドライブを安全に楽しむこともできますし、社用車を抱える企業も楽に自社の車・ドライバーの状況を把握できるようになります。

具体例があったほうがわかりやすいと思うので、以下の機能別に具体例を見ていきましょう。

  • 自動運転(運転支援)
  • 危機管理
  • テレマティクス保険
  • 車載インフォテインメント
  • IoTサービス同士の融合

自動運転(運転支援)

何かと話題になることが多い自動運転ですが、現在のところ緊急時を除きシステムにより自動で車が動くレベル3と言われる段階のものや、完全に自動で動くレベル4と言われる車は商用化に至っていません。

しかしながら「運転を支援」してくれる強力な機能をもった車は国内外で発表されています。

ProPILOT(プロパイロット)を搭載した日産のセレナ

国内であれば先日発表された日産の新型セレナが注目を集めました。このセレナにはProPILOT(プロパイロット)という同一車線自動運転技術が搭載されています。

ドライバーが設定した車速(30~100km/h)を上限に先行車両との車間距離を一定に保ち、前車が完全停車した場合にはこちらも自動的にブレーキをかけてくれる仕組みです。加えて走行時は車線中央を走るようにステアリング操作を支援してくれます。

あくまでも同一車線のみ有効(車線変更には非対応)なシステムですが、また一歩進化した国産車だと言えるでしょう。セレナについては別記事で解説していますので、是非そちらもご覧ください。

オートパイロット機能を持ったテスラのモデルS

オートパイロット機能といっても完全な自動運転車ではなく、あくまで運転支援システムではありますが、テスらのモデルSも現段階では非常に優れた機能を持つ車といえます。

方向指示器の操作1つで行える車線変更、目的地に到着した際の駐車自動化などを始めとする充実な機能は、実際に見ると驚く方も多いのではないでしょうか?

自動運転に関心がある方は是非以下の記事も読んでみてください。

ハンドルを握らずに運転が可能に!自動運転技術の現在と未来

危機管理

交通事故を減らすため、交通事故発生時に被害を最小限にとどめるための技術を指します。事例としてよく取り上げられるのが「ecall」という緊急通報システムです。

これはセンサーが交通事故を検知した場合等に車自身が緊急通報(緊急電話番頭に発信)するというシステム。事故の発生位置や車両の状況を緊急通報センターへ送ります。

これによってオペレーターとの会話や救急車両の到着がより迅速に。事故後の処置が遅くなってしまったことが原因による死亡事故を減らせる可能性もあります。

テレマティクス保険

「自動車とインターネットの融合」ということに関しては、コネクテッドカーよりも前から「テレマティクス」というキーワードが一般的でした。Telecommunication(通信)とInformatics(情報科学)を組み合わせて造られた概念で、自動車がインターネットと繋がることで提供できるようになったサービスを指します。

テレマティクスの代表的な事例の1つがテレマティクス保険。従来は取得できなかったドライバーの運転状況や走行距離をもとに保険料率が決まる、新しい自動車保険です。

走行距離を基準に、距離が少ないほど事故の可能性が低いとして保険料が安くなるPAYD(走行距離連動型)。運転行動を基準に、安全運転を実施しているほど事故の可能性が低いとして保険料が安くなるPHYD(運転行動連動型)。

以上の2タイプがあり、車の利用頻度や運転の状況にも合わせてよりお得な自動車保険を選べるようになっています。

走行距離連動型の保険としては、あいおいニッセイ同和損害保険の個人向け「つながる自動車保険」など。運転行動連動型の保険としては、ソニー損害保険の個人向け自動車保険「やさしい運転キャッシュバック型」などが該当します。

テレマティクスの仕組みやテレマティクス保険に関しては以下の記事で詳しく紹介していますので、是非読んでみてください。

自動車のIT化「テレマティクス」の歴史を紐解く

車載インフォテインメント

またまた聞きなれない横文字がでてきたと思われるかもしれませんが、インフォテインメントとは情報(インフォメーション)と娯楽(エンターテイメント)を組み合わせた言葉です。車が1つのデバイスのような役目を果たすことで、音楽やSNS、便利な情報サービスを楽しめるようになったものだと思ってください。

トヨタが手がけるテレマティクスサービス「T-Connect」の中には、「Apps(アップス)」というカーナビ用のサービスがあります。これはスマホアプリのようにカーナビでアプリをダウンロードして、楽しめるというもの。

様々なエリアの天気を調べられる「ウェザーニュース」や、ナビ情報からドライブシーンを判断した上で状況に合った音楽を再生してくれる「ドライブシンクロナイザー」、レストラン検索サイトとしてお馴染みの「ぐるなび」といったアプリがすでに提供されています。

IoTサービス同士の融合

最後は驚く方もいるかもしれませんが、車にいながら自宅のエアコンを操作できるサービスです。

こちらも先ほどと同じくT-ConnectのAppsの1つ、「パナソニック・エアコン操作アプリ」。インターネットに繋がったエアコンと車のコラボレーションです。

エアコンを切り忘れたまま外出した際にクルマに自動でお知らせが届く機能や、車が自宅へ近づいた際にエアコンの動作開始をお勧めしてくれる機能など、ありがたい機能が満載。

エアコンに限らず、今後もインターネットに接続したもの同士がコラボしたサービスは増えていくのではないでしょうか。

課題もあれど、可能性に満ちたコネクテッドカー

コネクテッドカーの概要から具体的な事例までを紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか? 「車がこんなに進化しているんだ」「こんなことまでできるようになってきたのか」とワクワクした方もいらっしゃるでしょう。

もちろん、コネクテッドカーは良いこと尽くしで課題は何もないと言うつもりはありません。特にセキュリティ面の問題は大きな課題の1つだと言えます。

2016年の2月には日産の電気自動車「リーフ」のアプリについて、他人のリーフのエアコンも操作できてしまう脆弱性があると話題になりました。車がインターネットに繋がるようになったことで、遠隔からのブレーキやステアリングの操作といったハッカーによる乗っ取りの危険性も、以前から言及されています。

セキュリティ対策はコネクテッドカーが今後普及していく上では避けては通れない問題ですし、他にもテクノロジーの発展に合わせた法律の整備など、やるべきことや乗り越えるべき壁はたくさんあるでしょう。

とはいえ、年齢や健康上の問題で自ら車を運転するのは辛い人が車に乗れるようになったり、交通事故数の減少や事故発生時の処置の改善に繋がったり、車内で過ごす時間がもっと楽しくなったり。コネクテッドカーによって、より快適で安全な日常生活を実現できる可能性を秘めているのも間違いのないこと。

今後どのような形で車とITの融合が進んでいくのか。非常に興味深いテーマといえそうです。

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