Fordが買収した通勤バスサービス「Chariot」の概要とFordのこれから

今月、大手自動車メーカーのFordが新進気鋭の通勤バスサービスを運営するスタートアップ「Chariot」を買収したことが大きな話題となりました。

正確にはFordがデジタルサービス領域の強化のため3月に設立した子会社「Ford Smart Mobility」によって買収されたということになりますが、当社初の買収案件が今回のChariotになります。

Fordが買収したChariotとは一体どんなサービスなのか、そして今回の件からFordは何を目指しているのか考えていきたいと思います。

 

そもそも「Chariot」とはどんなサービス?

動画を見ていただけると何となくイメージがわくのではないかと思いますが、Chariotは通勤バスにUberのような配車サービス(ライドシェア)の仕組みを取り入れた、新しい切り口のサービスです。

利用したいユーザーはChariotのアプリ上で自分がバスを乗り降りしたい場所をベースに、現在提供されているバスの走行ルートを探します。自分に合ったルートが予約できれば、あとは乗車地で待つだけ。

チケットは事前にアプリから購入するシステムとなっており、回数券や月額の定期券など利用頻度に合ったものを選べます。

このサービスの大きな特徴は、提供されている走行ルートがユーザーの人気投票のような形で決まること。クラウドファンディングサービスを利用したことがある方は理解しやすいと思いますが、そのルートを希望する人が一定数を超えた場合に正式にルートとして認められるというシステムになっています。

Chariot アプリキャプチャ2Chariot アプリキャプチャ1

Chariotは何がすごいのか

バス停

Chariotの利点は、従来のバスに比べて利便性が良く、かつUberのようなライドシェアリングサービスに比べて値段も抑えられること。

利便性に関しては以下の点が特に大きなポイントです。

  • バス停の位置を自分の意思で柔軟に決められること
  • 通常の通勤バスよりも早く目的地へ行けること
  • 混む時間帯でも座れること

まずわかりやすいのがバス停の位置。例えば自宅がバス停から遠い場合、そこまでは自分の足で向かわなければなりません。目的地がバス停から遠い場合も同様です。

Chariotの場合、提供されているルートに沿っていればという条件はつきますが、通常のバス停よりは柔軟に乗降場所を選ぶことができます。

また、通常のバスのようにいちいちバス停があるごとに停車することはありません。そもそも乗客数も15人と限られていますから、スムーズに目的地へたどりつけます。また、通勤で混む時間帯であってもぎゅうぎゅうの車内で辛い思いをすることなく、座って目的地までいけるのも嬉しいポイントです。

また、金額の面では利用回数や購入したチケットにもよるのですがUberなどの配車サービスよりは安く、公共バスのMUNIとはだいたいおなじくらいの料金で、かなり快適に使えるようです。

この点についてはChariotに投資をしているベンチャーキャピタルの方が、ブログで具体的に紹介されているのでそちらを紹介させていただきます。

利用者は$47の回数券(12回)や$93の定期(1ヶ月)などを購入し、スマートフォンに表示されるバーコードで乗車することができます。定期を購入すると、UBERの相乗りオプションであるUBER Pool (一回あたり$7)よりは断然安く、公共バスのMUNI(一回あたり$1.11)とほぼ同額(一回あたり$1.51)で、確実に座りながら快適に通勤することができます。

Fordは自動車サービスカンパニーへ

冒頭でも少し触れたように、Chariotの買収はFordがデジタルサービス領域の強化のため3月に設立したFord Smart Mobilityが手がけました。

Fordは何を目的として、今回の買収を実行したのでしょうか?

それはFordが単なる自動車メーカーを脱却し、自動車サービスカンパニーへと躍進を遂げるためと考えられます。

Fordは2015年にSMART MOBILITY PLAN というコンセプトを打ち出し、世界で25の新たなサービス・取り組みを実験することを発表しました

例えばFordPassというアプリもその1つ。駐車場の検索・予約や車の状態診断、事故発生時のけん引車の予約などができるサービスで、ここで取得したビッグデータを活用してさらに便利なサービス提供を目指しています。

Chariotの買収に関しても、Fordが掲げるSMART MOBILITY PLAN実現へ向けた一歩ということでしょう。

ここ数年、インターネットやスマホ、SNSなどの特性をうまく活用した新時代の自動車関連サービスが続々と生まれてきている一方で、古参の自動車メーカーも新たなチャレンジをしています。

Fordに限らず、これまで業界を引っ張ってきた大手自動車メーカーの今後の戦略にも注目していきたいですね。

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