テスラが商用車開発へ!9月に大型EVトラックを公開する意図

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電気自動車(以下:EV)の次なるステップとして、アメリカのテスラモーターズ(以下:テスラ)がトレーラー型EVを9月に公開すると発表しました。テスラが商用車としてのEVを開発するのは初めてのことで、中期経営計画である「マスタープラン・パート2」では、大型EVトラック開発の他にもバス事業への参入も考慮しているとのことです。

アメリカでのEV開発において先端を走り続けるテスラ。同社が商用車の販売に踏み出すことで、今後EV開発の世界はどのように進化するのでしょうか?

以前からEVトラックの開発に着手していたテスラ

テスラはかなり以前からEVセミトラックの開発を手掛けていました。CEOであるイーロン・マスク氏が、「貨物輸送コストの削減」と「ドライバーの安全性を重視」したトラックの開発に注力していると2016年7月に発表。さらにマスク氏は2017年4月にTwitter上で「開発チームが驚異的な仕事を達成し、EVセミトラックは必ず次の段階に進める」と発言しており、IT業界だけでなく輸送事業も含め大いに話題となりました。

大型トラックの貨物輸送コストは大半が燃料の消費に削り取られてきましたが、EVの技術が活かせればこれらの負担が軽減されます。またテスラは最先端の自動運転技術を提供できる企業のため、長距離運転を余儀なくされる輸送トラックに同社の技術を採用すれば、ドライバーの補佐役として安全性が向上することは間違いありません。

9月に大型EVトラックを公開する意図は、従来の「新興EV開発事業」から「EV量販メーカー」への転換を図りたいという願いがあるように思えます。トラックやバスなどを含めた商用車の開発に着手すれば、実用的な車を量産しているというイメージが強化されるはず。そのため、テスラにとって大型EVトラックの開発は大きな意味を持ち、他の自動車メーカーにも影響を与え続けると考えられています。

イーロンマスク

Photo credit: OnInnovation

他自動車メーカーも大型EVトラックの開発に着手

EVは大きな蓄電池を積む必要があるため、輸送事業では積載可能量が減ることを恐れ、これまで車両のEV化に積極的ではありませんでした。ただ近年では蓄電池の技術も進化し、性能の向上により軽減化や量産コストが削減されたことにより、テスラだけでなく他の自動車メーカーも大型EVトラックの開発に進出し始めています。

ドイツの大手自動車メーカーであるダイムラーでは、大型EVトラック「Urban eTrack」と小型EVトラック「eCanter」を、2016年にドイツで開催された商用車ショーでお披露目しています。ダイムラーはディーゼルエンジンに代わる技術としてEVトラックの開発に着手しており、「Urban eTrack」では積載量の達した荷物を運んだ場合、航続距離は200kmが可能だとコメント。当時は傘下の三菱ふそうが小型EVトラックを開発していましたが、大型EVトラックの公開は世界で初だったそうです。

新興EV開発メーカーであるニコラモーターカンパニーでは、天然ガスとEVを併せ持つハイブリッド方式を採用したセミトラック「ニコラ・ワン」を開発しており、同社のプレスリリースでは、およそ7,000台の予約が達成したことを発表。余談ですが会社の名前である「ニコラ」とは、偉業を成した電気技師である「ニコラ・テスラ」にちなんだものであり、テスラも同じ意図で「テスラ」と名乗っているため、テスラの活動を通してニコラモーターカンパニーの名前を世に知ってもらおうという構想があります。

現在のところ大型EVトラックの開発に着手している企業は多いとはいえませんが、テスラの2017年9月のEVトラック公開に注目が集まれば、今後も参入する企業は続々と増えるかもしれません。大型トラックの標準仕様となっているディーゼルエンジンは、排ガス規制など厳しい条件が提示されるため、EVはこの課題に光明をもたらす技術として期待を集めています。

トラック

車両がEV化することのメリット

トラックをEV化するメリットとして、「貨物輸送コストの削減」、「自動運転による安全性の向上」、「排ガス規制のクリア」などを挙げましたが、他にも様々な付加価値を備えたシステムを構想中とのことです。

ダイムラーはトラックを常時インターネットと繋ぎ、効率的な輸送を実現する運行管理システムを開発しています。同社は「トラックのデジタル化」を推進しており、2020年までの達成を目処におよそ630億円を開発部門に投資すると発表。テスラ社と同様に、センサーや通信技術を駆使した自動運転システムの開発にも着手しているため、将来は人の手を必要としない輸送の達成を目指している段階です。

今後も商用車・トラックの進化から目が離せませんね。

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