デジタルマーケティング領域で第一線を走るナイルがモビリティ領域を推進するワケ -前編

デジタルマーケティング領域で第一線を走るナイルがモビリティ領域を推進するワケ -前編

ナイル、第三の事業の柱はモビリティサービス

 

まずはナイル株式会社についてご紹介願えますか。

ナイル株式会社(以下、ナイル)は2007年、私が大学在学中に起業した会社です。私が幼い頃から目標にしていたのは、何十年後も世の中に残るものを作りたいということ。

そこで「デジタルマーケティングで社会をよくする事業家集団」をビジョンに掲げ、現在は3つ事業を展開しています。1つは、インターネット経由での集客や売り上げの課題を解決するデジタルマーケティングのコンサルティング事業。そして、メディア運営を中心としたスマートフォンメディア事業。この事業では「Appliv(アプリヴ)」というアプリの紹介サイトを主軸に、自社メディアをいくつか展開しています。そして、3つめの柱として始めたのがモビリティサービス事業で、車のサブスクリプションサービス「マイカー賃貸カルモ(以下、カルモ)」の提供です。

 

SEOを中心としたWeb集客やWebメディアを中心に成長してきたナイル社ですが、なぜ、モビリティサービスの事業を始めることになったのでしょうか。

もともと、私自身がモビリティの領域に興味を持っていたんです。自動車業界は今、100年に一度の変革期を迎えており、コネクテッド、自動運転、シェアリング、電動化と、さまざまな技術革新やサービス革新が今後10年ほど起こり続ける、非常にホットな市場です。それなのに、自動車をテーマにしたスタートアップ企業は数えるほどしかいない。そこに、インターネット業界にいた当社が技術・ノウハウを使って参入することで、これまでにない新たなサービスを提供することができるのではないか。そう思って、検討をはじめました。

 

モビリティ関連のスタートアップには、スマートドライブのような車両管理から自動運転、カーシェアなど、多様なサービスがあります。その中でマイカーリースに決めた理由はなんでしょうか。

まず、最近ニーズが拡大しているシェアリングサービスが選択肢の一つとして考えられました。しかし、カーシェアリングの市場はおおよそ300億円と言われ、車販売の市場は15兆円ほど。所有と共有のレイヤーで見ると、共有の方が高い成長率で成長しているので大きく映りますが、市場としては所有の方が100倍以上も大きいのです。

都心部は交通インフラが整っているので車を所有する人の方が少ない、しかし地方に目を向ければ車は生活必需品で、所有率も何倍も高くなる。そうした状況を踏まえ、カーシェアリングという共有のレイヤーで戦うよりも、所有というレイヤーでイノベーションを起こした方が大きいインパクトが与えられると考えました。

データ解析など、コネクテッド的な領域へのサービス展開も考えましたが、ナイルはマーケティングに強みを持つ会社。ですので、大量のビッグデータを解析するBtoB向けのビジネスより、私たちが得意とする、人の心に訴求していくビジネスを考えようと思ったのです。

経営者としては、カルモの提供に対してどのような思いがあるのでしょうか。

車を持つ上で、多くの方が、分割払いを利用しています。高額だけど、手持ちの資金を減らさず車に乗りたい。だから分割払いを利用する。これはリースだろうが、ローンだろうが同じことです。しかし、ローンで分割払いを行おうとしても、割と多くの方が審査に通過せず、車の所有を断念せざるを得ない。そこで「カルモ」が自動車金融の商品の裾野を広げ、毎月定額で、キャッシュフローを一定にすることで、経済負担を少なく、出来るだけ希望する車に乗っていただくことで、車の利便性や楽しさを届けていければと強く思っています。

 

今現在のカルモのフェーズや、今後の展開を伺えますか。

この一年ぐらいは、PMF(プロダクト・マーケット・フィットの略)に到達するために試行錯誤をしている段階でした。シンプルに新規のお客様の契約を取るにはどれほどのコストが必要かなど、市場全体の中で、顧客のニーズを踏まえ、商品やサイト設計、プロモーションまわりの、チューニングを行ってきました。それが安定して見合うようになってきたのが本年(2019年)の春くらいです。

最近は積極的にWeb広告にも投資して、事業規模を拡大させるフェーズに入っています。事業の拡大に向けて人材採用にも力を入れていますし。Web広告と合わせマス広告のトライアルも開始しましたので、より多くの方にカルモを知っていただき、利用者数を増やしていきたいと思っています。

現在のフェーズは非常に重要だと考えており、既存事業の利益と2019年春の調達資金を、このモビリティ事業を中心に注いでいます。

それは、ナイル株式会社として、今は「カルモ」に大きなパワーバランスをかけているということでしょうか。

そうですね。まず、ナイルは昔から多角化経営に取り組んできたため各事業の土台がしっかりとできていますし、今はどの事業もバランスが良い状態です。メディア事業で言うと、僕と事業責任者が月に一回食事しながら話をするだけ、という程度には手が離れています。

既存事業は、各種トライアルをしつつ増収増益を目指してもらい、「カルモ」は、一気に規模を大きくするフェーズに突入したので、そこに対して投資していくという考え方が正しいですね。

 

>>>後編へつづく

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