後編:人材教育から業務効率までを変える『Teachme Biz』による働き方改革

後編:人材教育から業務効率までを変える『Teachme Biz』による働き方改革

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大里 紀雄
マーケティング部 部長
株式会社スマートドライブ
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庄司 啓太郎
取締役COO
株式会社スタディスト

株式会社スタディスト 取締役COO 庄司啓太郎(しょうじ・けいたろう)様へのインタビュー記事、後編です。

企業が成長するために必要な“変化”

大里:「庄司さまがおっしゃる通り、企業が成長するためには、柔軟に変化に対応すべきです。その他にはどのような効果が期待できるでしょうか?」

庄司:「教育部分の効率化が一番、わかりやすく効果を実感いただいているところですね。人材教育は、トレーナー(教える側)とトレーニー(教わる側)、両者の時間を必要としますが、『Teachme Biz』の活用で教育の時間をコンパクトにしつつも、品質を安定させることができます。

教える立場の方は、同じことを繰り返し伝えていると、少しずつ大雑把になってしまうことがあります。教わる立場の方でも、一度教えてもらったことをついつい忘れてしまうことがあるでしょう。わかりやすいマニュアルがあると、個々に予習復習ができますし、教育の効率化とか品質向上が叶えられるのです。

さらなる上位概念でいうと、手順が可視化されることで、時間がかかっている部分や無駄なプロセスがわかるようになり、業務改善が行いやすくなることが挙げられます。日本では丁寧すぎるサービスが一般化していますが、場合によっては効率化からかけ離れたものになってしまう。

そこで一つ、スーパーマーケットで試したことがあります。それは商品を補充する回数の適正化です。コンビニでもスーパーでも、棚に陳列された商品がたった2、3個売れただけなのに、すぐスタッフが補充作業をする様子をよく見かけませんか? 補充作業には一日二回で良いという説と、一日三回は行わないと商品が減って見えてしまうという説がありますが、実際に実験してみると、いずれの場合も売上はさほど変わらないとわかりました。ならば、回数を減らして、接客など別の作業に集中した方が良い、という判断ができますよね。」

大里:「商品の補充には時間も体力も必要ですしね。」

庄司:「そうですね、補充専任のスタッフがいるお店もありますが、全店舗にそうしたスタッフを置いた場合、何十人、何百人という数に膨れ上がってしまいます。」

大里「人件費や人員の定着率はどう変わるでしょうか?」

庄司:「人材教育の副次的効果として、離職率を低下させることができます。新しく入社した人からすると、やるべきことが明確に示されているし、わからなくなってもスマホを見れば答えが書いてあるので、ストレスフリーで非常に働きやすい環境です。そのため、退職リスクが減ったという声をよく聞きますね。従業員が定着すれば、採用コストも減りますし、企業にとっては今まで無駄にかかっていたコストを削減できるのです。

ある飲食関連の企業では、常にアルバイトが10万人いても、1年間で半分ほど入れ替わってしまうことに頭を抱えていました。辞める理由を聞くと、覚えることが多すぎる、教わってないのにやってという理不尽なことを言われたなど、業務に関することが多い。そこで離職率低下をはかるために、『Teachme Biz』を導入いただき、活用いただいている例もあります。」

今後の採用は、「働き手のニーズに合わせる」こと

大里:「人材教育の効率化と高品質化、業務の効率化と人の定着、どれも企業の成長には欠かせないものばかりです。現在、息もつかせぬ速さで人口が減少しつつありますが、各業界で人材難が深刻化していくと、業務を回すことができず、企業は泣く泣く事業を畳まなくてはならないとうケースが増えていきます。」

庄司:「そうですね。教育効率化の先にあるのはマルチタスク化です。今は多くの企業で業務が縦割り状態になっています。適正な人材配置を行い、業務を円滑に回すためには、人の流動性を高めなくてはなりません。しかしある程度、仕事の型が決まっていないと、従業員の身動きが取れなくなります。ですので、飲食店では細切れ採用を取り入れるところも多いのです。」

大里:「“細切れ採用”とは、なんでしょうか?」

庄司:「お店としては、本来8時間フルタイムで働ける人材が欲しい。でも、なかなかそうした人材を集めることができないので、4時間だけ働ける人を複数名採用してシフトを埋めていく。それが細切れ採用です。」

大里:「そうしないと、採用ができないのですね。」

庄司:「さらに、そこへ専門性を紐付けないとことが大事。『Aさんがいないとオペレーションが回らない』という状態になってしまうと、人材を多く採用しても意味がありません。ですので、今後のさらなる人手不足を補うためには、誰でもできる状態を作ることが重要です。」

庄司:「『Teachme Biz』は、仕事を細分化して人から切り離すことができますので、小さく切り分けて隙間に入れ込むこともできます。ただし、隙間時間の1時間だけでも働きたいというニーズがあっても、企業側がフルタイム以外は採用しないと言っていては、人材確保を困難にするだけです。」

大里:「『Teachme Biz』はシェアリングサービスにもマッチしそうですね。」

庄司:「ドライバーだけでなく、流動的に数時間だけ働きたいというニーズは今後も増えていくと思います。そういう時にこそ、簡単に仕事を覚えることができるしくみを作らなくてはなりませんので、『Teachme Biz』が生きてくるかと思います。」

コラボレーションで業務効率をさらにアップ!

大里:「スマートドライブが提供する『SmartDrive Fleet』も、労働時間の削減や業務効率化に寄与できるサービスですが、『Teachme Biz』とコラボレーションはできるでしょうか?」

庄司:「たとえば、フリーランスのBさんが短時間だけ働きたいと、配達員に登録したとします。所属した事業所は『SmartDrive Fleet』を使って業務を効率化していますが、荷物の運び方や会社のルールなど、細かい規則や手順が記載されたマニュアルがないと、すぐには仕事に着手することができませんよね。

仕事に取りかかる前に『Teachme Biz』で業務について理解してもらう。その中には『SmartDrive Fleet』の使い方も明記されている。そういう流れができるといいですよね。」

大里:「『Teachme Biz』は運輸・物流系の企業にも使いやすいサービスだと思います。」

庄司:「運輸・物流系の企業は、人がサービスの根幹にいる労働集約型産業ですが、それぞれの人が各々に行動しているので、集まって教えることが物理的に難しい。業務も多様化していますし、情報の共有が一番難しい業界なのではないでしょうか。いままでは人を動かしたり、大量の紙で管理していたりしていたかもしれませんが、人や車両、伝票など、管理すべきものが多いので、何らかのツールを使って共有と効率化を同時に行うべきでしょう。」

大里:「話を聞いていると、まだまだ短縮できる時間も多いですよね。」

庄司:「ドライバーは本業が移動すること。中には意味のある移動と、意味のない移動の区別をつけていない方もいるでしょうが、ご自身の負担を減らすためにも見極めていくべきだと思います。」

大里:「作業は分散型なのに、情報は集約して共有すべきというのは、難易度が高く思えますね。」

庄司:「数ある業態の中で、もっとも情報の集約が難しいと思います。一般的なオフィスワーカーなら、100人集めて朝礼をするのも難しくありませんが、遠距離だと時間もズレますし、ドライバーを100人集めることがそもそも困難。人の入れ替わりも多いので、余計に情報集約と共有が困難を極めるのです。」

業界を変えるのは情報集約と情報の共有

大里:「情報共有という点では、チャットツールやLINEでもいいような気もしますが…。」

庄司:「日々のちょっとした業務連絡など、流れてもいい情報はメールやLINEでも良いのですが、車両の管理情報や企業としてのオフィシャルルール、業務手順は正しい伝え方をすべきところですので、別軸で考えた方が良いでしょう。

分散されていた情報を集めるという点では、『SmartDrive Fleet』と『Teachme Biz』は近いかもしれません。」

大里:「『SmartDrive Fleet』は分散していた車両に関する情報を集めて可視化していますが、『Teachme Biz』は分散しているノウハウや手順を集約し、オフィシャルの手順として共有していますので、似ている部分はありますよね。」

庄司:「RPAやAI、ビックデータなど、デジタルをもっと浸透させることはできますが、デジタルを使いこなすのは、アナログな人です。スタディストでは、そこに重きを置いています。どれだけ車両からデータを取得しても、最終的に運転するのはドライバーですし、飲食店で高機能な調理器具を導入しても、サービスするのは店舗のスタッフです。つまり、アナログな世界を置き去りにしてはいけないと思うんです。

大事なのは、デジタルで補う部分とアナログで対応する部分、それぞれの強みを生かして足りない部分を補って、バランスを取ること。ただ、将来的に完全自動配送システムが生まれたら、マニュアルは必要なくなるかもしれませんが。」

大里:「完全自動配送システムをサポートするスタッフにはマニュアルが必要ではないでしょうか?」

庄司:「確かに、運送物流が完全に無人化するという究極の未来が来るまでは、マニュアルは無くならないでしょう。たとえば、ミシンのように。手縫いからミシンに変わって、手縫いの職人さんは減りましたが、ミシンを作る人やメンテナンス、ミシンを教える人という形で仕事が変わっただけだと受け取ることもできます。」

大里:「業界を前向きに変革していくためにも、基礎となる部分、つまりマニュアルや手順書は働く人にとって必要不可欠です。そこから少しずつ無駄を省き、デジタルを活用して効率化できるしくみを整え、人は人でしか行えないような仕事に集中できるようになれば、生産性が向上し、働き方が大きく変わっていくかもしれません。そんな未来への土台を築けるよう、私たちも頑張っていきたいと思います。本日はありがとうございました。」


『Teachme Biz』について詳しく知りたい方はこちらから
https://pages.teachme.jp/doc_ringi.html

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