ドコモなどが開発、学習するカーナビ「AIインフォテイメントサービス」とは

突然ですがいつも使っているカーナビが、起動するだけで目的地を把握してナビゲーションを始めてくれたらどう思いますか?

もしくは、渋滞にウンザリしている道路でいつの間にか回避ルートを見つけてくれていたらどうでしょう?

そんなちょっと未来を予感させるカーナビを、NTTドコモが地図大手のゼンリンやゼンリンデータコムと開発し、4月17日より法人向けに提供を開始しました。

ある会社員の一日

○月×日、会社員Aさんは出社後に外回りの準備をしていました。そこへスマートフォンにメールが着信「そろそろ出発の時刻です」。

もうそんな時間かと車に乗り込みカーナビを起動すると、その日最初に行くべき取引先へのルートを自動的に検索し、ナビゲーションを始めてくれました。

今日はいつもと違う時間ですが、以前その時間に何度か取引先に向かった時には、渋滞に巻き込まれて時間がギリギリになってしまったため、今日も少し心配です。

おや? カーナビがちょっといつもとは違うルートを示しています。この道で良かったのかと思いながら走っていくと、余裕を持って到着できました。

取引先での用事を済ませると、もうお昼近い時間です。

「このあたりで食事できるところは?」『○△町のファミリーレストランがあります。ランチのボリュームが評判ですよ。』

「確かにいつもならガッツリボリューム重視だけど、今日は和食の気分かな。」『××町の蕎麦屋がいかがですか?天ぷら蕎麦定食が人気なようです。』

「じゃあそこに行こう。」『蕎麦屋にセットしました。』

空いている駐車場へスムーズに車を止めて食事を済ませると、風の香りがいつもよりちょっと違う気がしました。

「夕方の天気は?」『雨です。1時間に25mmと、少し強い雨が予想されています。』

これはあくまでイメージですがドライバーと会話しながら成長する、会話学習型カーナビ用音声エージェント。これが冒頭でも触れたNTTドコモが提供を開始した「AIインフォテイメントサービス」の世界観です。

ドコモのAI、ゼンリンの地図、ゼンリンデータコムの検索エンジンによる合作

AIインフォテイメントサービスは、大きく分けて3つの技術が軸になっています。

  • ゼンリンが提供するカーナビ向け地図データ
  • コンテンツを利用するためのゼンリンデータコムによる検索エンジン
  • NTTドコモが提供するAI技術

 

このサービスを組み込んだカーナビでは、ドライバーが事前に入力したスケジュールや、ドライバーの行動パターン、ドライバーとカーナビの会話を把握・学習することで、最適な行動をサポートしてくれるのです。

もはやタッチパネルで面倒な操作は不要「自然対話技術」

カーナビのタッチパネル

Photo credit: iphonedigital

NTTドコモのAI技術のうち「自然対話技術」はドライバーがカーナビと自然に近い対話をしながら、運転中でも安心・安全・便利にカーナビを操作できるようになります。

たとえば走行中、急に目的地を変更したくなれば、「○○に行きたい」とドライバーが話しかけるだけでカーナビが目的地候補を検索、ドライバーが決定すれば目的地をセットしてくれるというわけです。

これまでは停車中にタッチパネルを操作するのに結構な時間がかかりましたし、走行中の操作は違法ですから、急に目的地を変えたければ、まず停車しなければなりませんでした。

また対話シナリオは複数準備されており、利用者の趣味・嗜好に合わせた対話が可能です。

ドライバーのうっかりミスや、有為な情報を先回り配信「行動先読み技術」

目的地設定には「行動先読み技術」も使われています。

事前にクラウド上のカレンダーで目的地やスケジュールを登録しておけば、カーナビが起動する時にはもう目的地がセットされた状態です。しかも目的地に合わせて渋滞情報などを収集していますので、出発時刻になれば設定されたメールアドレスに案内を送ってくれます。

たとえばスケジュール上の到着予定時間に対して、予定ルート上で渋滞が激しい場合などはそれを見越して早めに案内してくれるわけです。まさに「スマートなカーナビ」といえますよね。

これらはもちろん事前の入力あってのことですが、過去の傾向などからAIがドライバーの利用するルートの推定まで行い、目的地までのドライブに必要な情報を先回りして教えてくれます。

SNS連携による話題のスポットやイベントを案内!「高度情報検索技術」

仕事に直結するイベントなどが目的地近くで開催されていれば、それを音声で案内してくれる機能です。スケジュールに余裕があれば、ドライバーから話しかけてスケジュール登録を依頼することも可能。もちろん新たに登録されたスケジュールに沿ったルートや情報の検索は、もうそこで始まっています。

その際に使われるデータはゼンリンデータコムの施設検索エンジンですが、SNS上でそれがどの程度話題になっていて、人気度はどのようなものか、AIが解析してドライバーに情報提供してくれる仕組みです。

単に目的地周辺で話題になっている情報や施設を教えてくれたりもしますので、同乗しているお客様にそのまま案内したり、目的地で会う人に話題を提供したりといった効果が期待できますね。

ドライブのマンネリ化を防ぐ効果も

ドライブ

Photo credit: Chris Waits

またAIは「知識Q&A」技術も備えており、ドライバーが何となく疑問に思ったことや時事的な情報を、一般的な雑学や報道、SNSで話題になっている範囲などから回答してくれます。

1人でドライブをしていて話し相手もいない時、ドライブに集中していれば良いのですが、実際には誰かが同乗していて会話しているくらいの方が眠気なども起きなくて良い場合もありますよね。

各種機器との連携で、将来的にはもっと便利になるかも?

このサービスはカーナビやポータブルナビ、スマートフォン、各種車載機器と連携します。

そのためインターネットを通じてSNSの情報を取得できるのですが、その情報は契約時に選定する必要があるので業種や職種、用途によって選別していくといいでしょう。

現状で紹介したサービス概要のほかにも、将来的にはさまざまなサービスと接続することで、より便利になっていくことが予想されます。

たとえば走行中に会社で必要な事務用品などを注文することも可能でしょうし、出先で必要な部材の配達を依頼して、現地で受け取るようになるかもしれません。また急に車や交通機関を切り替えなければいけない時には、飛行機や電車のチケットを取ることも可能になり、その先のナビゲーションはスマートフォンに引き継ぐことも考えられます。

これまで単に「A地点からB地点まで効率よくたどり着くための機械」だったカーナビが、今流行の「コネクテッドカー」的な機能を持たせ、AIを活用することでどんどん賢くなっていく。そんな時代になっていくのではないでしょうか。

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