【解説】IoTとは何?「モノのインターネット」の仕組みと新たな価値

最近メディアなどで耳にするIoTという情報通信用語ですが、こちらは「Internet of Things」の略称であり、その名の通り「モノのインターネット」という意味です。皆さんが扱う家電や機械製品などがインターネットに接続され、情報を共有することで相互に制御し合う仕組みのことを示しています。

特に分かりやすいのがテレビなどの家電製品。少し前までインターネットに接続できるのはパソコンやタブレットなどの特権でしたが、テレビも接続できるようになることで、番組情報を知るだけでなく、外部からパソコンやスマホなどを通して録画予約をするなど充実した機能が利用できるようになりました。

そして「モノのインターネット」という言葉の通り、モノであれば何でもこの定義が成り立ちます。人々の身近にある時計、冷蔵庫、洗濯機、掃除機などの家電製品や音響機器、AV機器など、ありとあらゆる”モノ”がネット接続できれば立派なIoT製品となる訳です。極端な話、消しゴムや鉛筆などの文房具だって良いのです。

巷で噂となっているIoTですが、実際は他の情報通信用語と同じく、その定義が分かり難いのが現状です。今回はこのIoTを取り上げ、その活用法や将来性などについて簡単にご説明します。

コネクテッドカー

Photo credit: jurvetson

「コンピューター + インターネット」の確立が可能にしたIoT

 

一言でコンピューターの定義を言い表すことは難しいですが、基本的にパソコンなどの情報処理を可能としたデジタル製品のことであり、Windows、macOS、Linux、Android、iOSといったオペレーティングシステム(以下:OS)が搭載されています。「パソコンはソフトが無ければタダの箱」と言われているように、仕事をするソフトウェアが搭載されていなければコンピューターとしての役割を果たせません。OSの存在はIoTの定義の中でかなり重要な役回りとなります。

そしてインターネット接続に関してですが、これは実際に活用されている人ならお分かりの通り、通信回線などを通してデータのやり取りをする情報システムのことです。こちらもコンピューターと同様、すでに様々な場面で活用されている情報インフラなので説明は不要かと思われます。

今では「ネット回線」という言葉も一般的となりましたが、30年ほど前ではパソコン単体で仕事をすることが当たり前の状態でした。インターネットという巨大な情報システムが登場したからこそ、コンピューターの真の活用法が見出せたといっても過言ではありません。

そしてこの「コンピューター+インターネット」によるシステムの確立により、メール機能やWeb作成だけに留まらず、Skypeなど映像電話サービス、動画配信サイト、SNSといった新しい情報サービスが次々と登場しました。

現在では情報インフラも大幅に整備され、スマホなどを通して外出先からインターネットを楽しめる時代となり、各通信企業がユーザーとの回線契約を結ぶため熾烈な価格競争を行っています。IoTビジネスとはこの「インターネットに接続されている」という環境を更に応用するサービスモデルとなります。

 

無線でインターネットに接続する重要性。Wi-FiやSIMカードについて

SIMカード

 

よく耳にする「Wi-Fi」とは

ネットを楽しんでいる方なら「Wi-Fi」という言葉を聞いたことがあるはずです。Wi-Fiとはあらゆる機器と無線(ワイヤレス)で接続する技術のことですが、自宅で活用するには電波を送受信する無線Wi-Fiルータが必要となります。

この「無線である」という状態がかなり重要で、有線だとデスクトップパソコンなら問題ないかもしれませんが、ノートパソコンであれば持ち運びができない状態になってしまいます。しかもスマホやタブレットは有線で接続できない仕様になっているため、無線で接続できる環境は必須条件となります。

 

スマホ保持者にとってはおなじみの「SIMカード」

スマホをお持ちの方は「SIMカード」という言葉を耳にしたことがあるのではないでしょうか?

SIMカードとは携帯電話で使用されている、回線契約者のID番号が記録されたICカードのことです。このSIMカードを通して、各社の電話回線を使用したネット接続環境を得ることができます。国内で有名な通信会社はdocomo、au、SoftBankなどがあり、こちらで契約を結ぶと個別にSIMカードを発行してくれます。この契約済みのSIMカードを挿入すれば、晴れてスマホを使用したインターネットを楽しむことができます。

反対の見方をすれば、このSIMカードが挿入されていなければスマホは機能しません。通常のスマホには「SIMロック」という機能があるため、SIMカードを認識できないと通信会社のネット回線どころか自宅のWi-Fiでさえ接続できない状態になります。このSIMカードには様々な種類があり、各通信会社と契約を結ぶ「月額制」のものから、使いたい分だけお金を支払う「プリペイド」などのタイプがあります。

 

海外では一般的な「SIMフリー」

先ほどSIMロックがほとんどのスマホに機能していると述べましたが、ロックが掛かっていない「SIMフリー」というSIMカードを自由に選択できるタイプのスマホも存在します。実は海外ではこのSIMフリー端末が一般的で、特にビジネスで頻繁に国外へ移動する人などは、SIMカードを自由に選択できる状態にしてあります。

例えば国内で交わした定額制契約のまま海外へ飛び立つと、挿入しているSIMカードが他国の通信会社と勝手に接続する可能性があり非常に危険です。そのままインターネットを使い続ければ何十万円と請求されてしまうため、後でクレジットカードの請求書が届いたら目の前が真っ暗になるような体験を味わうかもしれません。

このため、海外へ向かう時は国内で契約を交わしたSIMカードを外す必要がありますが、SIMロックが掛かっていれば使えない状態となるため、基本的に日本のスマホは海外へ持ち運ばないことがベストとなります。

もし、自分の持っているスマホがSIMフリーの仕様であれば、海外でプリペイドタイプのSIMカードを購入してそのまま使うことができるので便利です。これらのSIMカードは空港の自販機などでも購入することができるので、海外で活躍するビジネスマンは頻繁に活用しています。

 

通信会社の回線を借りて運用する「MVNO」というシステム

MVNOとは「Mobile Virtual Network Operator」の略称です。日本語に訳せば「仮想移動体通信事業者」と言いますが、この言葉だけでは何を意味しているのかちょっと分かりません。MVNOの「Virtual」の頭文字を外した通信用語に「MNO(Mobile Network Operator)」が存在しますが、こちらは先にも述べたdocomo、au、SoftBankなどの主要通信会社のことを指しています。いわゆる通信基地局などを各所に整備している会社のことであり「大手キャリア」とも呼ばれています。反対にMVNOはVirtualと名が付いている通り、仮想的に通信基地局を運営する業者のことを示しています。

docomoなどのNTT関連会社は、その長い運営の歴史により基地局の整備が万全です。しかし、この業界に新しく参入すようとする企業は、自社の基地局を全国に配置するには莫大なお金を必要とするため、大手キャリアから基地局を「借りて」運営するという方式を選択しています。基地局の回線を使用するお金を大手キャリアに支払うことでコストダウンを図っているため、ネットなどで「MVNO」と検索すると、次の関連ワードに「格安SIM」や「最安値プラン」といったものが出てくるはずです。

MVNOにはIIJmio、mineo、OCNモバイルONEをはじめ、BIC SIM、U-mobile、BIGLOBE LTE・3Gなどがありますが、これらの業者が発行するSIM契約料はいずれも値段の安さをアピールしています。携帯電話料金は、最新のスマホになると月額使用料5,000~9,000円が当たり前となってしまうので、この料金を抑えたいということでMVNOを活用するユーザーが増えています。

また、こちらでもSIMロックの問題が絡んできます。基本的にスマホを契約する際はdocomoなどの専門店に訪れて端末を受け取る必要がありますが、これら端末には必ず契約した会社以外のSIMカードを受け付けない仕様になっています。MVNOを利用する時は「docomo専用」「au専用」などのSIMカードを選択する必要があるため注意してください。

一方で、先にも述べたSIMフリータイプのスマホであれば、ほぼすべてのSIMカードに対応することができます(ただし、動作状況などを事前に調べることは大切です)。

 

企業向けMVNO業者であるSORACOM

今度はMVNOを法人向けに提供している例を見ていきましょう。先にも述べたMVNOを活用して企業向けのIoTプラットフォーム「SORACOM」を展開しているのがソラコム社です。

IoTの技術にいち早く着目し、MVNOによる通信費用を軽減するというメリットを世間にアピールすることで、パソコンやスマホなどの情報処理端末だけではなく、あらゆる”モノ”に接続できるサービスを生み出し続けています。この点は他のMVNO業者と変わりがありませんが、決定的な違いとしてSORACOMが最も力を入れているのが「セキュリティ」の分野です。

SIMカードがインターネットと接続した場合、貴重なデータが各通信会社のサーバーに転送されます。ID番号はもちろんのこと、外出先の位置情報などが端末を通して送信されるため、これらの管理を万全にしておかなければ個人情報が漏れてしまう可能性があります。IoTは”モノ”に繋がる技術のため、もし銀行や宝石店などの防犯カメラに接続されたら、録画内容を削除される恐れすらあります。

SORACOMはSIMカードの発行から自社サーバーの管理を徹底し、データに暗号化処理を施すなどして、このセキュリティに関する安全性を最大限に高めています。この「セキュリティが万全」という強みがあるため、企業向けのMVNO業者として通信サービスの中では一歩リードした存在として認められつつあります。

実際SORACOMは様々な業界で使われており、自動車に関連する企業だとJapanTaxi株式会社や十勝バス株式会社などが活用しています。SORACOMのより詳しい内容や、自動車関連企業での活用事例等は別記事で紹介する予定ですので、そちらも楽しみにしていてください!

 

無線技術が発達した現在におけるIoTの活用法

Iot - モノのインターネット

IoTは無線技術や通信回線が発展したことにより、所有するあらゆる”モノ”にネット接続することが可能となりました。また、BLE(Bluetooth Low Energy)などのBluetooth規格も進化し、LTEや3G回線だけでなく新しい無線技術のサービスも誕生しつつあります。

特にBluetoothは近距離における情報のやり取りに強みを持つため、スマホ同士のデータ送受信はもちろん、スタジアムの座席認証、ショッピングにおける商品説明、また住居や自動車のオートロックシステムなど、その用途は着実に広がりつつあります。

IoTが進化することでどのような未来が待っているのか、想像してみましょう。

あなたが一人暮らしだと想定します。仕事が終わり、自宅へ帰る前に部屋を暖めておきたいので暖房器具のスイッチを入れる、食事の前にお風呂に入りたいので自動で沸かしておく、ついでに夜なのでカーテンを閉めるなど、これらの操作はすべて外部の端末から行うことができます。

更に技術が進化すれば、クルマの自動運転によりタクシーのように自分の場所へ誘導したり、椅子に座ると自動的に脈拍を計測して体調管理を行ったり、ベッドへ横になるだけで最適な部屋の温度に調整するなども可能となるかもしれません。

IoTにはあらゆる”モノ”に繋がる技術のため、ビジネスチャンスは無限大に広がり、これまで想像もしなかったような利便性のあるプロダクトやサービスが次々に世の中に出てくることでしょう。既存企業、起業家、投資家、様々なプレイヤーがこの領域における事業の可能性を見出し投資しているフェーズですので、日本だけでなく世界中において今後も目が離せないですね。

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