物流業界だけではない?環境省も宅配便再配達ゼロ運動を展開

宅配ボックス

今世間でも注目を集めている物流業界。ECサイトやフリマアプリの普及もあって荷物が増え続ける一方で、ドライバーが大幅に不足し、変革が迫られています。

そんな物流業界が抱える課題の1つが「再配達率」の高さ。過去に国土交通省が行った調査では「宅配便配達の走行距離の内25%は再配達のために費やされている」といったデータもでており、宅配ボックスの設置や再配達時の課金などさまざまな対策が検討されています。

実はこの再配達問題ですが、問題意識を持っているのは物流企業だけではありません。「COOL CHOICE」という言葉をご存知のかたもいるかもしれませんが、これは国が主体となり「地球温暖化」対策として、CO2排出を抑えるなどさまざまな運動を展開していこうとするものです。

この枠組みの中で、環境省も再配達削減プロジェクトを実施しています。

再配達削減プロジェクトの概要

2016年5月に、「COOL CHOICE」をより効果的に展開していくために、環境大臣をチーム長とした「COOL CHOICE推進チーム」が設置されました。その中で会合などを重ね、新たに立ち上げたのが「COOL CHOICEできるだけ一回で受け取りませんかキャンペーン~みんなで宅配便再配達防止に取り組むプロジェクト~」。

この内容ですが、言葉が示している通り「宅配荷物の再配達をなくしましょう」というものです。物流業界でも再配達に関わる問題はニュースでも取り上げられるほど重要課題であり、その対策が急がれているわけですが、政府もこのような運動を推進しているのですね。

プロジェクト発足の背景

物流業界が再配達を減らそうとする目的は、荷物増加によりドライバーが不足している現状や再配達にかかる手間などが大きく関わっていますが、政府がこのようなプロジェクトを立ち上げた背景には上で触れた通り「CO2を削減すること」が大きく関係しています。

運輸部門におけるCO2排出量は日本全体の排出量の約2割、そのうち1/3以上を物流関係が占めているのだそう。当然、車を動かすにはCO2排出は避けられないのですが、再配達の割合を減らすことでCO2の削減につながるのではないかと期待されているわけです。

国土交通省によると、「2015年時点で宅配便の約2割にあたる約7億4000万個が再配達となっており、CO2排出量が年間約42万トン増えている」としており、そのことからも宅配荷物の再配達を減らすことが、結果としてCO2の削減につながると見て取れます。

物流分野におけるCO2削減対策促進事業

国は、物流システムが新たな転換期を迎えていること、新たな温室効果ガス削減目標達成のため、などを目的に「物流分野におけるCO2削減対策促進事業」を推進しています。主な事業内容は以下の4つです。

高品質低炭素型低温輸送システムの構築促進事業

食料品など輸送時に冷凍・冷蔵が必要な貨物は、その品質保持の観点から積載率が低い傾向にあるため、新たな技術を取り入れ大量輸送することにより輸送時における低炭素化をはかるというもの。

宅配システムの低CO2化推進事業

宅配荷物の再配達を減らすことで、CO2排出量の削減をねらったもの。「再配達削減プロジェクト」はここに該当します。

効率的な低炭素型輸送ネットワーク構築モデル事業

物流の効率化により低炭素化を促進する目的。現状のシステムの見直しや現場での作業の効率化により低炭素化実現を目指しています。

産業車両の高性能電動化促進事業

産業車両の電動化を促進することによりCO2排出抑制効果をねらったもの。具体的には、新型電動フォークリフトの導入に係る事業費の一部を補助することが事業概要となっています。

受け取り方の多様化

さて、このような背景から発足したプロジェクト。荷物を受け取る側からすれば、例えば「時間指定サービスを利用し、配達員とのすれ違いが起きないようにする」などが考えられますが、必ず家にいる時間帯を作るというのも簡単なことではありません。

そこで、駅やコンビニなど公共のスペースやオフィス・マンション等に「オープン型宅配ボックス」を設置し、自分の好きな時間に荷物等を受け取ることができるという「受け取り方法の多様化」を促進する動きもでてきました。

この動きは前述の「宅配システムの低CO2化推進事業」にも盛り込まれており、「再配達削減プロジェクト」に貢献できる手段の一つと言えます。

再配達問題は共通の課題

宅配荷物の再配達に関わる問題は何も配達ドライバーの負担軽減のみをねらったものではありません。これまで述べてきた通り、国も主体となり「宅配荷物を1回で受け取る」運動を展開しています。CO2排出を抑えるために既存の輸送手段もそうですが、荷物の受け取り方についても見直しが必要になってきたと言えます。

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