年末繁忙期を迎える運送業界 — サステナブルな事業体制へ

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一般的な労働時間は1カ月で約174時間とされていますがトラックドライバーの労働時間は約239~273時間と、数字だけで見ると非常に長いことがわかります。昨今ニュースなどでも見かけるようにこの業界は「ドライバー不足&高齢化」が深刻化している中、今後ドライバーという仕事を選択する人たちがさらに減少していく懸念もあります。

設備投資や個人消費の回復による輸送需要増加に期待され、宅配貨物に関しては2018年も引き続き増加が続く見通しですが、このような現状では運送業界における人件費の増加は不可避だと言えそうです。

今年もきたる、年末の繁忙期

毎年12月の中旬〜後半は物流全体にとって最も大きな繁忙期。

世間ではボーナスの嬉しい時期ではありますが、物流業界ではウェブショップでのクリスマスや年末セールが最も加熱し、福袋からお歳暮、アパレルのセール対象品の一斉入荷に一斉出荷、さらにおせちやお餅などの食品の流通など、貨物の取り扱い量は平常時の何倍にも膨れ上がります。

宅配大手のヤマト運輸も毎年ホームページ上で「12月23日〜1月3日は荷物のお届けに遅延が発生する恐れがある」と伝えていますが、この時期は場所によっては降雪による交通規制が行われたり、年末年始にかけて帰省ラッシュも重なるなど、条件も過酷になってくる時期です。

「人手不足」「高齢化」「配達賃金や燃料の上昇」…。この三つの大きな課題がこの時期多くの企業をさらに悩ませつつ、ドライバーはドライバーでなかなか配達が終わらずに長時間の過剰労働が続きます。

利用者側は最近ネットやスマホを通じて荷物がどこにあるのかがわかるようになったため、指定時間内に荷物が受け取れず少しでも遅延を起こしてしまうと、すぐに宅配業者にクレームの連絡が入ります。荷物が安全・安心して受け取ることができるよう配慮された荷物の問い合わせシステムですが、このシステムによって配達状況が見える化できるようになったため、利用者に「なんで時間指定したのに遅れているのか」と、少しの遅延であっても苛立たせてしまう原因にもなっているのです。

若手労働人口の減少もあり、これからはいかに現状の(または微減していくであろう)人的リソースでより効率的に業務を行っていくか、そのためにどういったテクノロジーを取り入れて効率化を促進させるのかを各事業者ごとに考え実践していく必要性が高まっていく時代です。

追い討ちをかける、ドライバーの過酷な環境

今年度から荷待ち時間の記録が義務化となりました。トラックドライバーの長時間労働の要因の一つは荷待ち時間にもあると想定されており、その実態を把握するためです。

通常、ドライバーは預かった荷物をトラックで安心・安全に配達することが本来の業務だと思われていますが、一部では荷物の積み下ろしをすべて手作業で行なっているというドライバーもいます。荷物の内容や輸送先は毎日変わるため事前に把握することができず、想定外な重労働としてドライバーへの負担増になるであろうことも簡単に想像できます。

荷物の積み下ろしに把握されていなかった長時間を要してしまい、結果としてその後の配達スケジュール全体がおしてしまう。その遅れをなんとか取り戻そうと、食事や休憩時間などを削って運転し続け、それが疲労の蓄積や睡眠不足を常態化させてしまう。それがもとで居眠り運転をして事故を起こしてしまったり、長期休暇が必要になるような体調不良に発展してしまったりなど、悪循環へ陥りやすくなってしまいます。

また、ドライバーが勤務中に交通事故を起こしてしまった場合、損害賠償や駐車違反での罰金はドライバー持ちになることが多いようです。損害賠償責任が生じるような交通事故はそう頻繁に起こるものではないものの、駐車違反はそれなりの頻度で起こるようで、特に都心部への配達の場合などでは配送先近辺に一時駐車できる場所がないようなこともあるため、ドライバーがやむを得ず路上に一時停車という形で配達するケースもあります。

短時間ならある程度許容される場合もありますが、荷物をすぐに渡すことができず時間がかかってしまった場合は駐停車違反をきられてしまうことも少なくないようです。この場合は上述のとおりドライバーが罰金を支払うことになるわけですから、他業界で車を使うドライバーと比べても厳しい労働環境であることがわかります。

これまで、現場で働くドライバーの生産性や成果を測るのは難しいことだと思われていましたが、スマートフォンやタブレットなどのスマート通信端末の普及によって以前よりずいぶん手軽に現場の実態を「見える化」することが可能になってきました。そしてその実績データをもとにドライバーの勤務状態を把握して適正な評価をしたり、改善の余地がある労働環境を認識して対応策を講じたりすることで、日々頑張って貢献している従業員たちにもこれまで当たっていなかったスポットライトが当たるようにもなり、結果として彼らの待遇が良くなったりモチベーションの向上につながったりもすることで、離職率の抑制や新規採用の追い風になるような効果も期待できるかもしれません。

繁忙期に備えていますぐできること

現在ドローンやロボットでの配送、自動走行トラックなどの実証実験が国内でも積極的に行われています。しかし、まだ実証実験段階であるため、実際に公道に導入されるためには法の整備などを含めるとまだ年月はかかるものと予想されます。また、トラックの自動運転が始まったとしても、最終的に人が介在しなければ荷物を消費者の手元へ届けることができません。

現状における現実的なITの活用という意味では、車両やドライバーの状況のリアルタイムな見える化と共有化かもしれません。そしてそれを現場のタイムリーな意思決定につなげていったり、蓄積したデータを解析することでオペレーションの改善点を洗い出し、そこをさらに効率化させていくようなPDCAを高速回転させていくことでしょう。

どのようなスケジュールで配達を行なうか、天候や混雑状況を加味した最適な配送ルート、配達の変更はあるのか、それはどのように変更になりそうなのか、またリアルタイムの配送状況はどのようなものか、事前に予測できる問題は何か…。配送における情報は多岐に渡る上、常に流動的なものです。そのため、リアルタイムに正確な情報を把握していくことは生産性の向上に必須です。

荷主と物流業者との間で互いのスケジュールや状況などを、タイムリーかつ正確に共有できていれば、何か問題が発生した場合にも迅速に状況や原因を把握し対応することでき、非常に便利です。

各車両をコネクテッドにするためには、従来は大掛かりな車載器などを搭載して通信させていましたが、最近は手軽にコネクテッドにできるような様々なクラウドサービスが登場してきています。

本メディアの運営会社であるスマートドライブが提供するクラウド車両管理サービス「DriveOps」では、シガーソケットにデバイスを挿入するだけで手軽に営業・運送車両などをコネクテッド化し、リアルタイムに走行状況を把握したり、安全運転診断をしたり、日報などの煩雑な業務を自動化したりなどしています。(下は製品紹介動画)

日々のオペレーションの可視化だけでなく、データが蓄積されていくことで余剰車両を割り出したり、無駄に走行されているルートを判別したり、事故リスクの高いドライバーを事前に判別して対応したり、非常に細かいレベルでの業務最適化に取り組んでいくことができるようになります。

また、車の事故を減らすことで会社の保険料を大幅に削減できたり、運行計画にブレがなくなったりするなど、派生的なメリットを挙げればきりがありません。

サステナブルな事業体制へ

冒頭でドライバーの労働時間の増加や労働人口不足、それに逆行するように増加の一途をたどる荷物。年末は世間のショッピングがさらに加速するため、運送業者にとっては配送スケジュールがいつもに増して過密になります。その負担は結局現場のドライバーにのしかかってきます。

そういった現場の状況は非常にリアルで、「早くトラックが自動運転化されればいいのにな」というような時間軸の話ではなく、今日明日にでもなんとか改善していって欲しいという切実さがそこにはあるはずです。事業者側としても、荷物を受けなければ売上にならない、つまり給料が払えない、となるので、仕事はできるだけ受けたい。受けたいが、運ぶ人手が足りない。1人あたりの負担を上げて配送しようとすると、昨今の規制強化によって摘発されたり、ドライバーたちが黙っていない。このあたりの闇は深そうです。

最近では、消費者が購入できる宅配ボックスの登場や、コンビニ受け取りに代表されるような自宅以外での受け取りなど、運送業者だけでは解決できない「荷物の受取人側の課題」への対策も徐々に拡充してきている印象は受けます。今後は、荷主、運び手、受取人の三者がそれぞれテクノロジーや新しい仕組みを創意工夫していくことで業界全体の配送効率を上げていく取り組みが進み始めていくと、この業界にも光がさしてくるのではないかと思います。

また、ドライバーを抱える各事業者は、今一度自社のドライバーのリソースが有限であること、そして簡単にはリプレイスが効かない時代・環境になっていることを再認識し、長期的な観点でいかに事業をサステナブルなものにしていくことができるのかを考え直してみるのもよいかもしれませんね。

 

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