車を持つのはもう古い!? 簡単・手軽な「カーシェア」の時代

最近、街の駐車場で「カーシェア」という看板が増えたように思いませんか?昨今、急速に人気を伸ばし需要が増えているという「カーシェアリング」。一体どんなサービスで、どうやって利用しているのだろう、そんなふうに思っていた方もいるかもしれません。

そこで今回は、カーシェアリングとは何か、レンタカーや自家用車との違いや普及の背景、さらには大手サービスの比較を含めた新たな交通インフラの形であるカーシェアリングの国内事情について紹介します。

カーシェアリングってどんなサービス?

カーシェアリング(以下、カーシェア)とは「自動車を会員間で短時間利用するサービス」のことを言います。

店舗に直接行って借りるレンタカーとは違い、車両はコインパーキングやコンビニなどの専用駐車場(これをステーションと言います)に置かれ、インターネット予約で24時間365日利用したい時に利用できる無人システムです。(※利用したい車がたまたま他の会員に利用されていて使えないということなどはあります)

車両を保有することは、駐車場代やガソリン代、各種保険料や税金、車検等のメンテナンス費など、固定費や維持費を考えると経済的な負担は決して軽くはありません。しかし、公共交通機関の利用だけでは不便さを感じるような状況もあり、「こんなとき自由に車が使えれば、、、」と思う人がいるのも事実。

また、昨今では「若者の車離れ」と言われていますが、これは若い世代の手取り収入額の減少が主な原因のひとつで、購入はできないけど車には乗りたい・ドライブに行きたい、という潜在的な車の需要は常にあるのだといいます。

このような問題を解決し、また快適でストレスフリーなカーライフを楽しむため、2002年ごろよりレンタカー業界大手のオリックス自動車が「カーシェア」の事業を始め、さらに様々な会社が参入し、日本でもカーシェアリング事業が拡大しました。

普及の背景には政府の規制穏和もあり…?

2004年に、構造改革特区に限定して、対面での車の貸し渡しの義務が穏和されました。
その内容は、レンタカー事業のうちのカーシェアリング事業に限り、IT活用などで車両の貸し渡しを的確に把握できると認められた場合には、対面での車両の貸し渡しが免除されるというもの。

2006年には、さらに構造改革特区以外の場所でもこの緩和措置が適用可能になりました。このような政府の規制穏和によって、カーシェアリング事業への参入が容易になり、ITを活用すればレンタカー事業者ではなくとも、カーシェアリング事業に参入できるようになったのです。

そしてついに、2014年にはレンタカー事業のみで可能だった「乗り捨て」もカーシェア業界で解禁に。ITで管理できることを条件に、保管場所に戻す必要はないことが明示されました。IT技術の進化は、カーシェア普及への大きな役割を果たしているのです。

さらには企業や個人間でモノを貸し借りしあう「シェアリングエコノミー」というライフスタイルが広まっていることも、大きく影響しているといえるでしょう。世界全体を見ても環境志向は年々高まっており、消費者は環境負荷を低いものを選ぶ傾向が見られています。

「カーシェア」の利用が拡大されることで、社会全体の車の量が減りCO2の削減や省エネにも繫がるため、人と環境に優しいカーライフを送ることができるようになるのです。

このような理由を踏まえ、2016年3月の調査では、国内の車両ステーション数10,810カ所(前年比14%増)、車両台数19,717台(同20%増)、会員数846,240人(同24%増)と、2010年ごろから現在に至るまで利用環境や会員は年々増加しています。

登録は本当に簡単?どんな時に使っているの?

登録するにはインターネット、店舗、カーシェア説明会、無人入会機という方法があります。初めてで不安な方は説明会を受けた上で登録してもいいかもしれません。
しかし、インターネットでの登録後はカードを郵送で受け取るまで数日かかりますので、即時利用を希望する方はご注意を。

登録後カードが届いたら、利用したい時にインターネットで近くのステーションを探し、空いている車を予約します。専用のICカードでロックを解除して利用を開始し、利用後は車を借りた場所に返却。

レンタカーとは料金の計算方法が若干異なり、基本となるのは利用した距離料金×利用時間で算出することになります。また、カーシェアを定期的に利用する場合、一ヶ月の料金が算出しやすい料金シミュレーションもあるようです。月の利用料金の目安が分かることで家計の支出の見直しもできそう。

また、ユーザーは利用時の走行距離や運転のデータは手持ちのPCやスマートフォンからも確認ができます。(※事業者によってサービス内容は異なります)

このように、「いつでも・簡単に・使いたい時間だけ」、という気軽さが人気に火をつけています。そして専用のカードが1枚あれば、場所は固定せず全国どこでも車が利用できることも大きな魅力。旅行や出張先でも大いに活躍しそうですね。(※カーシェアステーションの多さも事業者によって異なります)

月に一回気軽にドライブ旅行をしたい時や、雨の日の移動、空港へのお迎えなど、必要な時にだけ利用することができる「カーシェア」。仕事で終電を逃してしまった時、駅から離れた訪問先への移動する時など、ビジネスシーンにも大活躍。

仕事でもプライベートでも多種多様な使い方で、私たちの生活をより便利で快適なものにしてくれます。

自家用車やレンタカーとの違いは?

自家用車・レンタカーと比較して、具体的なメリットを見ていきましょう。

とにかく安い!魅力なコストの低さ

自動車の保有に必要な購入費用と、ガソリン・駐車場・各種保険・税金・車検などの維持コストが一切不要となるため、週1回での短時間の利用であればカーシェアの方が断然コストパフォーマンスに長けています。

利用料金にはガソリン代や保険料も料金に含まれており、数人でシェアすることで、さらに一人一人が安価で利用することができます。

24時間365日、気軽に利用

インターネット予約とICカードによる無人貸渡により、早朝から深夜まで時間を気にせずいつでも利用できます。
レンタカーのように店舗の営業時間を気にすることもなく、人が介在する煩わしさもありません。車が空いていればイマスグ!の予約も可能ですし、予約キャンセルも直前までは無料というのも嬉しいですね。

生活圏内にステーションがある

コインパーキングやコンビニなど身近な場所をメインに、現在もステーションの拡大が増強され続けています。
レンタカーの営業所以上に自宅近くでサービスが提供されれば、ほぼ自家用車の感覚で使えることでしょう。

大手カーシェアサービスの比較

次に、業界トップ3のサービスについて比較をしてみましょう。なお、各種料金については、個人利用での基本的なプランの選択を想定しています。

例えば、週1回1時間10 km利用する場合、ひと月あたりの各社の利用料金(時間料金+距離料金)は以下のとおりです(税込)。

タイムズカープラス:3,296円=((206円×4)+0)×4回

オリックスカーシェア:3,800円=((200円×4)+(15円×10 km))×4回

カレコ・カーシェアリングクラブ:3,120円=((130円×6)+0)×4回

*1…参考:公益財団法人交通エコロジー・モビリティ財団「全国のカーシェアリング事例一覧」2016年3月の調査
*2…未使用でも請求、利用料金に充当可
*3…予約が6時間以内の場合
*4…2016年7月現在

大手カーシェアサービスの利用料金に、今のところ大きな違いは見られませんが、ステーション数は全国最多でタイムズカープラスがトップ。車種も多数あり、セカンドカーとしての利用や試乗代わりに色々な車に乗って出かけている、という人もいるようです。

車両保有の年間コストとの比較

一方で、従来のように車両を保有した場合、一体年間にどれぐらいのコストが発生するのでしょうか。2000ccクラスの普通車を例にあげ、費目ごとに見てみましょう。

自動車税 39,500円
自賠責保険 13,920円 (※2年分÷2として計算)
ガソリン代 93,000円 (※年間10,000km走行、1L140円、燃費15km/Lで計算)
任意保険料 70,000円 (※基本的な契約内容で計算、加入保険によって異なります。)
車検料 60,000円 (※2年分÷2として計算)
重量税 30,000円 (※車検時2年分÷2として計算)
駐車場代 120,000円 (※月々10,000円として計算)
消耗品代 30,000円

このように並べていくと、保有の場合は年間でおよそ456,420円の支出(駐車場代が月30,000円の場合は、696,420円)になります。都内であれば、駐車場代が30,000円を超えるような場所も多々あるわけですが、極端な話、一切運転しなかったとしてもガソリン代以外の維持費はかかり続けてしまうわけです。

では、カーシェアの年間コストはどれぐらいかかるのか、タイムズカーシェアをベースに見てみましょう。タイムズの場合は、クルマのキーになるICカード発行手数料が1,500円かかりますが、期間限定で発行手数料無料キャンペーンも実施しているのでその時期に申し込みをすれば実質0円に。個人会員は月額料金が1,000円かかりますが、1,000円の無料利用分がついているのでこちらも実質0円です。

ベーシックな普通車を月に8回、1回につき5時間利用する(206円/15分)として一ヶ月のコストを計算すると32,960円、年間のコストは395,520円となります。

年間の差額だけでも数十万の開きが生まれるケースもありますし、車を定期的に利用しない人の場合は余計に差が大きくなります(カーシェアでは利用しない場合にほとんど費用が発生しないのに対し、自家用車の維持費は減らせないため)。また、これが5年、10年と続けばその差は大きくなるばかりです。そう考えると、経済的な観点からいうのであれば、カーシェアの方がずいぶん効率的で無駄が少ないということが言えるでしょう。
(※車の使用頻度によってこの辺のお得感はまったく変わってくると思いますが)

カーシェア利用はステーションが自宅に近いことが大事

そして、カーシェアを利用する上で大きな決め手となるのが「自宅からステーションまでの近さ」です。便利とは言え、自宅から距離があると足が遠のいてしまいます。自宅から5分〜10分圏内にステーションがあり、かつ週末の稼働状況なども最初の1-2ヶ月で試してみるのが良いかもしれません。自分が主に使いたい曜日や時間帯がいつなのか、その時間に最寄りのカーシェアは大抵空いているのかどうか、その辺を見極めてからメインで利用するカーシェアサービスを決めると良いかもしれませんね。

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