料金シミュレーションあり: 適切な車両削減で車に関するコストを見直そう!

料金シミュレーションあり: 適切な車両削減で車に関するコストを見直そう!

利益を安定して獲得することが第一命題の法人・企業にとって、車両に関連する費用は大きな出費。そのため、前回は稼働率にもとづいた車両削減によって適切な配車を行う方法をご紹介しました。実際に、「こんなに稼働率が低かったのか…」と改めてご理解いただけた管理者様もいらっしゃるはずです。

一言で車両削減と言っても、業務に支障が出るほど切り詰めるわけにはいきませんし、とは言え保有している台数に関わらず、維持コストの削減にも限界があるため、長期的な事業展開を見据えるのであれば、車両の適切な保有形態を綿密にプランニングする必要があります。そこで今回は、車両削減や車両台数の最適化を行うために、効率的かつ適切な車両運用スタイルについて、具体的な料金シミュレーションを交えて解説します。毎月だと気づかないかもしれませんが、年間で考えると維持費は莫大なコストです。保有形態の変換でどれほど節約ができそうか、料金シミュレーションで試してみてください。

車両の保有には、これだけコストがかかっている!

 

車両を保有するには、購入費はもちろん、車検費用・燃料代・税金など細かく挙げるときりがないほどの経費がかかります。稼働率を把握したその先は、車両保有に要する経費を車のタイプ別にしっかりと把握し、適材適所かつ必要最低台数を配置することが適切な配車の基本的な考えとなります。この項では、法人企業の用途にマッチする代表的な車種を6つ挙げ、それぞれの年間コストを比較します。一台当たり、最低限でもどれぐらいコストがかかっているかを改めて把握しましょう。

なお、法人や企業では車両を新車購入・保有すると、耐用年数一杯まで乗り潰すのが基本ですから、購入費は7年間乗り続けたと仮定し「年割」で算出したうえで、事業用車両として登録(軽自動車は届出)しました。また、2年に一度の継続車検費用は車両サイズに伴う平均相場の2分の1で、燃料代は年間2万km走行する設定でカタログ燃費の70%を目安に、ガソリン1Lあたり140円(軽油は120円)で計算しています。

タイプ別年間コストまとめ

1. 荷物を大量に運搬できる大型商用バン トヨタ・ハイエース:8Lディーゼル
【購入費】44万円/年
【車検費用】5万円/年
【燃料代】24,6万円/年
【自動車税】1,57万円/年
【合計】約75万円/年

2.  荷物を多めに運搬できるビジネスバン 日産・NV150AD:1,5Lガソリン
【購入費】23万円/年
【車検費用】4,6万円/年
【燃料代】23万円/年
【自動車税】0,85万円/年
【合計】約52万円/年

3.  荷物を運べる軽商用バン スズキ・エブリイ:660ccガソリン
【購入費】15万円/年
【車検費用】3万円/年
【燃料代】21万円/年
【自動車税】0,69万円/年
【合計】約40万円/年

4.  人員移動用普通車(経営者・役員など) 日産・ティアナ:2,5Lガソリン
【購入費】37万円/年
【車検費用】4,5万円/年
【燃料代】28万円/年
【自動車税】1,38万円/年
【合計】約74万円/年

5.  人員移動用普通車(一般社員) トヨタ・カローラアクシオ:1,3Lガソリン
【購入費】22万円/年
【車検費用】3,5万円/年
【燃料代】19,4万円/年
【自動車税】0,85万円/年
【合計】約46万円/年

6.  人員移動用軽自動車(一般社員) ダイハツ・ミライース:660ccガソリン
【購入費】13,5万円/年
【車検費用】3万円/年
【燃料代】11,3万円/年
【自動車税】0,69万円/年
【合計】約29万円/年

車両削減・最適化するポイント

まず、人員とともに多くの機材・道具・商品を運ぶ業種が導入する1~3の車種ですが、サイズや量的に許容できる場合は、経営者や車両管理担当者は年間コストの面から、「1→2→3」へ転用することも視野に入れておきましょう。人員の移動に利用する車両の場合、企業としての体裁や経営者・役員等への待遇も考慮しなくてはならないため、高級外車やセダンの導入はもちろん、コストがかさむとはいえ例に挙げた日産・ティアナより、何ランクも車格を落とすことは難しいかもしれません。代案として、経営者や役員が所有している自家用車の使用へと変更し、燃料代や保険代を「手当て」として負担する形を取れば、年間コストの中で大きなウェイトを占める、年割購入費をかけずにすみます。

一方、車両を複数台所有している場合に一番知恵を絞るべきが5と6のケースです。具体例として挙げたカローラアクシオを2台保有した場合の総年間コストがあれば、最もリーズナブルなミライースを3台運用してもおつりがくる計算になります。もちろん、複数車両を運用している企業の多くが加入する自動車保険は、台数が増えればそれだけ負担増になりますが、コスト算出時に設定した年間走行距離を超える場合、両者の「燃料代格差」は広がっていきます。

【年間走行距離ごとの燃料代格差(ミライース-カロ―ラアクシオ)】

  • 3万km・・・約12万円
  • 4万km・・・約16万円
  • 5万km・・・約20万円

フリート契約をしていれば、1台当たりの年間保険料は5万円程度ですから、上記のように年間走行距離が伸びれば、1台保有台数が増えてもあっという間に保険料をペイできます。試しに、3台カローラアクシオを保有する場合とうち2台をミライースに変更し、共に7年間・年3万kmで運用した場合の差額を計算してみましょう。

「(12万円-5万円)×2台×7年=98万円」

なんとミライースの新車が1台買えてしまうほどの差額が出ました。事実、街を走る営業車の多くがミライースや、同クラスのスズキ・アルトであり、軽自動車の高性能化や居住性の向上と燃料代の高騰が進む中、近年一層普通営業車の淘汰が進んでいるようです。

大量の荷物や大型資材など運ぶことができる大型ミニバンは、業種によっては他の車種では対応できないことも多い唯一無二の存在ですし、ビジネスバン・軽商用バンは人員移動用の車両としても転用可能なため、オールマイティな活躍が期待できます。その点、軽自動車より高い購入費と維持費や低い燃費性能、さらに少ないバゲッジスペースなどを加味すると、5の「一般社員移動用普通車」が最も中途半端で、「削減すべき車種」であると考えられます。

ちなみに、お役御免となった後のリセールバリューについて軽く触れておくと、同年式・同走行で似たような程度であれば、「1→4→3&6→2→5」の順に下がっていく傾向にあります。

長期運用をする場合は中古車を購入しない方が無難!

車両保有と関連する話で、購入コスト削減のため中古車の導入を視野に入れるケースもありますが、5年以上運用する場合はやめておいた方が賢明と言えます。なぜなら商用車・営業車に適している車両は、通勤やレジャー向けの一般車種と比較し走行距離が長く、重量物を常時積載するなどといった使用環境の悪さから、年式の割にエンジンや足回りに不具合を抱えている中古車が多いからです。

中古車の購入で初期費用を抑えたい場合は、商用とあまり考えられていない意外な車種を狙うのも一つの手です。たとえば、ダイハツ・タントあたりはシートアレンジで後部座席をフラットにできるため、ハードな利用でなければ十分軽商用バンとして転用できるでしょう。また、トヨタ・カローラフィールダーや、マツダ・アテンザワゴンなどのステーションワゴンも、人員・荷物輸送能力を兼ね備える立派な営業車として活用できますし、何より中古車の販売価格帯がリーズナブルです。

さらに、登録・届出から短期間しか経過しておらず、走行距離もほぼないに等しい新古車を選べば、新車より概ね1割ほど安い価格で入手可能です。新古車は、「手垢が付いているから嫌だ」と敬遠されることもありますが、商用利用なら問題ありませんし、程度で言えば新車と遜色なくメーカー保証も付いているのがほとんどですので、新車では予算オーバーという場合はぜひ検討してみてください。

カーリースやカーシェアの金額感とメリット

 

最近では、購入費・車検代・自動車税をカットすることができるカーリースや、必要に応じてスポット利用できるうえ、駐車料金も発生しないカーシェアを利用して、車両関連費を削減するケースが増えているようです。年間経費が高い車両ほど、カーリースやカーシェア活用によるコスト的なメリットは大きくなりますが、経費がリーズナブルな軽自動車の場合、長い目で見るとかえってデメリットが発生する可能性もあります。

法人向けカーリースの年間料金とメリット

おおよその料金はリース期間中の車検・点検・整備や、オイル・タイヤ交換といったメンテナンスがパックになっている・月間予定走行距離が1,500km・7年契約という条件で、「ORIXforBUSINESS」のメンテナンスリースを元に算出しました。車種によって料金が異なるため、前項で実例として挙げた車種で料金を見積もりしてみましょう。 

 

  • トヨタハイエース・・・40,392円/月(年間484,704円)
  • NV150AD・・・32,158円/月(年間385,896円)
  • エブリイ・・・23,328円/月(年間279,936円)
  • ティアナ・・・58,536円/月(年間702,432円)
  • カローラアクシオ・・・35,965円/月(年間431,352円)
  • ミライース・・・21,708円/月(年間260,496円)

※いずれも税込の金額です。

一見、大型バン以外は保有時の経費と数万円しか変わらないように見えますが、3度の車検費用と法定点検、7年分の自動車税とメンテナンス料がセットになっているため、トータルでは大幅なランニングコストの削減が行えます。また、「法人向け」と銘打っていながら準備されている車種が豊富であることも魅力の一つ。トヨタ車ならランドクルーザーやハリアなどもラインナップされているため、初期費用をコストカットしつつ、ありとあらゆるビジネスシーンにマッチした車を利用することが可能です。

法人向けカーシェアの年間料金とメリット

一方、車をビジネス利用する機会が極端に少ない場合や、使用する車種に制限やこだわりがない場合は、コイン駐車場をステーションとしたカーシェアを有効活用することで、利用料金と駐車場代以外の車両関連コストをほぼゼロにすることも可能です。カーシェア業界の最大手「タイムズカーシェア」の場合、入会時に648円のカード発行手数料さえ支払えば、月額基本料金0円で乗った分だけ料金を支払うのみです。利用料金は1分206円ですが、ここにはガソリン代と保険代も含まれているうえ、予約した利用予定時間より返却時間が早くなる、つまり3時間だったものが1時間になった場合でも、実際に利用した1時間分の金額しか課金されません。

また、課金は完全時間制で移動距離は一切関係ないため、利用料金がわかりやすいのもメリットだと言えます。予約はスマホやパソコンからいつでも可能で、しかも1分前までなら突然のキャンセルも無料です。さらには、入会時開設されるマイページでは、運転者の急減速・急加速回数や105km/h超過状況と最高速度をチェックできる、「クルマの運転見える化サービス」も利用できますので、経営者や管理者は従業員の安全運転に向上に役立てることもできるのです。

車両削減でコストダウンを狙うならこんな組み合わせも

保有車両の一部をカーリースに変更することでランニングコストの大幅削減が可能ですし、規模が小さく車両使用頻度が少ない場合は、カーシェアの活用も有効な手段になります。ここでは「保有車のみ」「カーリースのみ」とはっきり区分けするのではなく、稼働率を考慮してより柔軟に利用することを念頭に、車両保有とカーリース・カーシェアそれぞれの良いとこどりをしながら、コストダウンを図っていく方法を考えてみましょう。

保有車+カーリースの組み合わせと運用事例

保有からカーリースすることによってコスト面でもっともメリットが出やすいのは、車両本体と関連コストが高額な大型バンです。場合によっては、安い軽自動車は保有し、大型バンのみカーリースで対応するという考え方もできるでしょう。たとえば、ハイエース2台とミライース1台をすべて保有する時(A)と、ハイエースのみリース契約する際(B)の年間コストを概算コストとリース見積り額に沿って計算すると、

A:ミライース(保有)29万円+ハイエース(保有)75万円×2=179万円

B:ミライース(保有)29万円+ハイエース(リース)48万円×2=125万円

となり、AとBとのコスト差は54万円という大きなものになりました。しかも、今回料金見積もりをしたリース契約はメンテナンスパックなので、コストのかかるハイエースのオイル交換やタイヤ交換費も、節約できるというおまけつきです。

保有車+カーシェアの組み合わせと運用事例

一方、保有車とカーシェアの組み合わせが有効なのは、普段は都心部から離れた場所で仕事をしていて、月に数回、営業や打ち合わせで都心部へ行くといったケースです。月に4日、都心部で打ち合わせ時をする際、往復時間を含めて4時間ほど車を使用するとしましょう。月トータルの使用時間は16時間、これをタイムズカーシェアの時間制課金に当てはめると、ノートやフリードであれば13,184円/月、ノアやヴォクシーなどのバンであれば26,368円/月です。

今回最も低コストな車種として紹介したミライースにしても、年間の維持コストに29万円ほど必要ですから、ガソリン代や保険料・メンテナンス費用を含めると合理的に車両が利用できることになります。

エコカーへの切り替えはコスト削減手段の一つになるの?を解決

ここまでのコスト・シミュレーションでもわかるように、購入費や車検代もさることながら、「燃料代」がかなり大きなウェイトを占めていることがお分かりいただけるはずです。

ならば、いっそのことハイブリット電気自動車などの「エコカー」へと切り替えれば、一気にコスト削減できるのでは?と考える方もいるかもしれません。しかし、そこには注意が必要なのです。

ハイブリットは乗り潰しを前提に◎

プリウス・アクア・ノートだけではなく、今や多くの車種に採用されているハイブリット・エンジン。通常のガソリンエンジンより高い燃費性能を誇るものの、その分新車の購入価格が同車格のガソリン車より60万円近くも高額です。

たとえば、ガソリンモデルの燃費が16km/L、ハイブリット25km/Lでありレギュラーガソリンの価格が140円/Lだとしましょう。この2台がともに、年間2万km走行した場合、前者は年間1,250ℓ、後者は800ℓものガソリンを消費するため、計算上はガソリン車の方が63,000円ほど多くの燃料代はかかってしまいますが、購入費の価格差である60万円を埋めるには9年以上乗り続けなくてはなりません。

また、フル充電時の航続可能距離の限界が200kmであるため、満タンの給油で500km近くを優に走るガソリン普通車と比較すると社用車向きとは言いづらいでしょう。つまり、ハイブリット車を導入して経費削減するためには、年間走行距離が長距離発生する業種であるか、乗り潰すまで運用を続けるしかなく、場合によってはハイブリット車並みの燃費性能を備えた軽自動車を選択したほうが経済的になるケースもあります。

電気自動車の導入はコスト削減ができる?

電気自動車であれば燃料代は一切かかりませんが、現在ではまだまだ車両本体価格が同ランクのガソリン車より圧倒的に高額です。また、国産であれば日産・リーフとe-NV200、三菱・アイミーブのみという車種選択しかありません。将来的に新車価格がグンと下がり、航続可能距離がガソリンモデルと同等の水準まで達すれば話は変わってきますが、今のところ電気自動車は企業のイメージアップといったケースを除くと、商用車への転用は難しいかもしれません。

まとめ

さまざまな角度から車両削減方法を考察し、シミュレーションを展開しましたが、企業と車との付き合い方は多岐に及ぶため、これでも完全に網羅したとは言えません。

車両は稼働率を考慮したうえで台数管理を行い、適材適所に配置することができれば、経費削減だけではなく収益拡大にもつながります。車両全体の稼働率を把握し、ぜひとも自社の稼働状況やビジネススタイルにあった適切な配車方法を検討してみてください。

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