守れていますか?知っておくべきドライバーの乗務基準

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2014年より、交通事故などの重大事故を起こしていなくても、国土交通省の監査で「改善基準告示の未順守が1か月間で計31件以上あった運転者が3人以上確認され、かつ、過半数の運転者について告示に規定する拘束時間の未順守が確認された」営業所は、即30日間の事業停止となることが発表されました。運送業界の方であれば、この行政処分基準についてはすでに認識されていることでしょう。

つまり、ドライバーの長時間拘束が恒常的になってしまっている事業者は早急に改善を求められ、「拘束時間をはじめとした改善基準違反件数の削減」については運送事業者や管理者が最も気を配らなければならない項目となっているのです。

主となる常務基準

行政処分の一部改正に伴い、乗務時間の基準に著しく違反した場合、30日の営業停止になります。国土交通省の通達では「著しく遵守されていない」というのは、『事業用自動車の運転者の勤務時間及び乗務時間に係る基準(平成13年国土交通省告示第1365号。以下告示)の未遵守が1カ月間で計31件以上あった運転者が3名以上確認され、かつ、過半数の運転者について告示に規定する拘束時間の未遵守が確認された場合をいう』とされています。
これは「労働省告示第7号(改善基準)」に、最初の勤務を開始してから最後の勤務を終了するまでの時間が1日24時間×6日=144時間未満であることがプラスされたものですが、ドライバーは1週間に最低1回、自宅で休養できるようにしなくてはならないということです。

自動車運転者(トラック)の労働時間等の改善のための基準の概要は大まかに以下の内容になります。

  1. 1ヶ月の拘束時間は原則293時間以下、特例として1年間6か月まで320時間まで延長可能。
  2. 1日の拘束時間は原則として13時間で、最大16時間まで。15時間を超える回数は1週間につき2回が限度です。
  3. 1日の休息期間は原則8時間以上必要。1日24時間=拘束時間(16時間以内)+休息時間(8時間以上)であること。また、ドライバーの住所地での休息時間がそれ以外の場所(事務所内の休憩所など)より長くなるように努めなくてはなりません。
  4. 連続運転時間は4時間以内、または4時間経過直後に30分以上の休憩時間を確保することにより、運転を中断する。4時間以内に運転を中断する場合の休憩時間は、少なくとも1回につき10分以上休憩をとる。
  5. 1日平均の1日の運転時間は9時間以下、2週間平均の1週間の運転時間は44時間以下にすること。運転時間の計算は、特定の日を決算日として2日ゴチに区切り、その2日間の平均とすることが望ましく、少なくとも3日間のうち1日目と2日目の平均および2日目と3日目の平均がそれぞれ9時間を超える場合は基準に違反することになります。

上記の基準を違反しないようドライバーの労働時間を管理する必要がありますが、実際の国土交通省の監査では違反回数によって行政処分が決定されるため、違反回数が何回あったかをカウントされます。

また、労災死ラインと呼ばれる労災認定の基準は、残業時間が2カ月(〜6カ月)平均で1カ月80時間を越える、または1カ月100時間を超過した場合とされています。上記の基準を超えた結果、ドライバーが病気にかかったり死亡をしてしまうと、労災認定とされる可能性がありますので、心身ともにドライバーの健康を守り業務を円滑に行うためにも労働時間の管理はしっかり行ってください。

拘束時間と労働時間は以下が基準の考えとなっていますので、改めてそのポイントについて周知しておきましょう。

時間外労働と休日労働

時間外労働と休日労働には限度が設けられています。時間外労働および休日労働となる場合も1日の最大拘束時間16時間以内、1カ月の原則となる拘束時間293時間が限度です。時間外労働または休日労働を行う場合は、労働基準法第36条に基づく「時間外・休日労働に関する協定届(36協定)」を事前に労使によって凍結し、届け出を提出しなくてはなりません。

また、休日労働は2週間に1回の頻度でしか行えません。さらに以下の4つを特例としています。

・1台のトラックに2名以上が乗務する場合(車両内に体を伸ばして休息することができる設備がある場合のみ)においては1日の最大拘束時間を20時間まで延長でき、休息時間を4時間まで短縮ができる。

・業務の必要上、勤務終了後に継続した8時間以上の休息時間を与えることが困難な場合、当分の間、一定期間(原則として2週間〜4週間程度)における全勤務回数の2分の1の回数を限度とし、休息期間を分割して与えることができる。

・業務の必要上、やむを得ない場合は2暦日における拘束時間は21時間を超えない、または勤務終了後に継続20時間以上の休息期間を与えることを条件に隔日勤務に就かせることができる。

・ドライバーが勤務中にフェリーの乗船する場合、乗船時間が2時間を超える場合は乗船時間は原則として休息期間として取り扱いができる。

原則として、一カ月の拘束時間は293時間が限度とされていますが、拘束時間の限度を定める書面による労使協定を凍結した場合、1年のうち6カ月までは1年間の拘束時間が293時間×12カ月の3,516時間を超えない範囲内で、1カ月の拘束時間を320時間まで延長することができます。しかし、はじめにお話しした5つの労働時間基準を違反してしまった場合、以下のような処分を受けることになるので注意が必要です。

トラック事業における監査制度については、行政処分の基本的な考え方として処分日車制度というものがあります。これは違反行為ごとに処分の量定(基準日車)が決められており、違反行為のあった営業所ごとに処分日車数としてカウントされます。

つまり、1車両につき20日間(20日×1車)の車両使用停止処分を科すということ。実際に使用停止になる車両数と処分期間については別途こまかな定めが設けられており、車両の最長使用停止期間は6カ月となっています。こうなってしまうと事業者にとっては非常に大きな損失になりかねません。

さらに、この処分制度に併せて、違反点数制度というものもあります。簡単に説明すると、処分日車数10日車ごとに1点の違反点数をつけるというものです。違反点数はずっと加算されていくものではなく、累計期間が3年間、行政処分決裁日から3年を経過する日に0点に戻ることになっています。しかし、この累積違反点数により、事業の一部停止、全部停止、事業許可の取消処分が下されることになるので、決して甘く見てはいけません。

国土交通省のホームページでは、各地方運輸局長等が自動車運送事業者に対して行った行政処分を定期的にとりまとめ、過去3年間の自動車運送事業者に対する行政処分情報をネガティブリスト(いわゆるブラックリストのようなもの)として掲載していますし、20点を超えた場合、報道機関等への資料提供等により社名その他を公表することになっています。こうして、あとあと会社の信用問題へと響いてしまうのです。

乗務に関して記録・制作すべき書類

(1)運転日報(乗務等の記録)(安全規則第8条)

乗務員の乗務の状態・過労防止・過積載防止等、業務の適正化のための資料として、運転日報の記録が義務付けられています。

休憩の地点・日時の記入は必須項目

(2)運行指示書(安全規則第9条の3)

2泊3日以上の運行予定がある場合、乗務前・乗務後の点呼がいずれも対面で行なうことが出来ないため、運行指示書を作成してドライバーに携行させなければなりません。この書面によってドライバーに適切な指示を出すことが義務付けられているのです。

(3)タコチャート紙(安全規則第9条)

アナタコやデジタコを搭載している場合はチャート紙上に必須記載事項を記入することで運転日報がわりにできます。

瞬間速度・運行距離・運行時間・連続運転時間を記録し、1年間保存しなければならない車両は以下の通り。

①車両総重量8トン以上又は最大積載量5トン以上の事業用自動車(大型車)

②車両総重量8トン以上又は最大積載量5トン以上の被牽引自動車を牽引する事業用の牽引自動車

③特別積合せ貨物運送に係る運行系統に配置する運行車

(4)乗務基準(安全規則第3条第7項)(起点から終点迄の距離が100Kmを超えるものごとに記録)

特別積合せを行う事業者は乗務基準の設定及びその遵守の指導及び監督を行う必要があります。

設定事項は以下の3つ。

1.主な地点間の運転時分及び平均速度

2.乗務員が休憩・睡眠をする地点及び時間

3.運転を交代する地点

過労運転を防止するために

過労運転の防止措置義務違反を防止するために以下の4点を守るようにしましょう。

(1)必要な員数の運転者の確保違反(安全規則第3条第1項、2項)

常時選任運転者の不足が過労運転を引き起こす原因にならないようにすること。

(2)休憩・睡眠施設違反(安全規則第3条第3項)

施設が設けられている場合でも、実際に必要とする場所に設けられていなかったり、寝具等必要な設備が整えられておらず、施設・寝具等が不潔な状態にあると違反となります。

事業者は休憩・睡眠施設を良好に修復し、利用できる状態に保つこと、そして常に良好な状態で利用できるように運行管理者に管理させることが必要です。

(3)健康状態の把握違反(安全規則第3条第5項)

健康状態の把握とは労働安全衛生法に基づく健康診断の実施をいいます。疾病・疲労・飲酒等での乗務がないように対面点呼で確認すること。

(4)交代運転手の配置違反(安全規則第3条第6項)

以下の場合、交代運転者を添乗させるか交代箇所に待機させなければなりません。

①拘束時間が16時間を超える場合

②運転時間が平均して一日9時間を超える場合

③連続運転時間が4時間を超える場合

まとめ

ドライバーの乗務時間の管理がいかに複雑で手間のかかるものか、おわかりいただけたのではないでしょうか。特に近年は世間全体で働き方の見直しが掲げられています。長時間かつ過密スケジュールの後に日々の乗務時間を運転日報に記録するなど、ドライバーの負担は計り知れません。

日々の業務における運転日報などの乗務記録は基本的に国土交通省への提出義務はありませんが、1年間保存することが義務付けられています。ですが、巡回の時に確認されますので、すぐに提出できるようファイルなどにまとめておかなくてはなりません。乗務時間以外に今年から義務付けされた荷待ち時間や運行管理外の運行をしているかなどがチェックされます。手間はかかりますが、こうした書類は抜け漏れなく正確に作成しなくてはなりませんし、いざというときに会社の信用問題にも深く関わってきます。

そうした煩雑な作業をもっと簡単にできる手段があります。最近ではクラウド車両管理システムも進化し、自動で運転日報を作成できる機能や車両追跡機能など多くの機能が搭載されています。

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ドライバーや事業者側、どちらの負担も大きく減らし、適正な業務遂行を叶えるデバイスです。

少しでも乗務基準を違反することなく、定められた規則やルールの中で円滑に業務を遂行したいならば、個々のドライバーの細かなデータが取得でき、業務効率をサポートしてくれるこうしたサービスを利用してみてはいかがでしょうか。

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