運転中のスマホ操作が厳罰化!内容・罰則と狙いについて

運転中のスマホ操作が厳罰化!内容・罰則と狙いについて

2019年5月、国会で道路交通法の改正案が可決され、同年12月1日より運転中のスマートフォンなどの使用、いわゆる「ながらスマホ」に対する罰則が大幅に強化されることとなりました。罰則の重さに関わらず「ながらスマホをしない・させない」のは大前提ですが、スマホや携帯が生活に欠かせないツールになった今、厳罰化への動きが進んだ理由、改変された内容について解説します。

12月からながらスマホが厳罰化。その内容とは

 

2016年10月、愛知県一宮市の市道でトラックドライバーが、運転中に「ポケモンGO」をプレイし小学生をはねて死亡させる、悲しい事件が発生しました。スマホゲームという運転に全く関係ないことが原因で、未来ある幼い子供の命が奪われた、事故とは呼べない出来事に、強い憤りを感じた方も多いことでしょう。しかし、多くの方が「つい・うっかり」運転中に掛かってきた電話、通知が来たチャットアプリに、手を伸ばしてしまった経験があるのではないでしょうか。

今回の改正は、このような「ながらスマホ」による重大事故が近年急増していることを鑑みた動きであり、警視庁によると2013年2,038件だった「ながらスマホ」を起因とする人身事故は、2018年には2,790件と1.4倍に達しているといいます。また、スマホ・携帯電話使用中の死亡事故率は使用していない場合の2.1倍となっており、「ながらスマホ」を減らすことが痛ましい事故を撲滅する近道である、と考えられたのです。

ながらスマホとはあくまで通称で、正確には「携帯電話使用等(交通の危険)」と言いますが、厳罰化されるのはスマホや携帯電話の使用だけではなく、車載カーナビ・オーディオの画面を注視し運転する、広義の「ながら運転」も含まれています。スマホゲームは言語道断ですが、スマホや携帯電話の所持・通話やアプリ使用はもちろん、カーナビなどといった車載装備の操作をする「ながら運転」でも、場合によっては違反行為として検挙される可能性があるということです。

大幅に強化されるながらスマホの罰則について

 

今回の改正では、ながらスマホという危険行為を撲滅するため、それが事故原因と判断された「交通の危険を生じさせた場合」のみならず、運転中にスマホを手に持ち通話・操作した「保持」に対する罰則も、改正前より大幅に強化されました。

違反内容改正前改正後
交通の危険【刑事罰】3月以下の懲役又は5万円以下の罰金

【違反点数】2点

【反則金】・大型1万2千円

・普通9千円

・二輪7千円

・小特等6千円

【刑事罰】1年以下の懲役又は30万円以下の罰金

【違反点数】6点

【反則金】非反則行為として全て刑事罰が適用

保持【刑事罰】5万円以下の罰金

【違反点数】1点

【反則金】・大型7千円

・普通6千円

・二輪6千円

・小特等5千円

【刑事罰】6月以下の懲役又は10万円以下の罰金

【違反点数】3点

【反則金】・大型2万5千円

・普通1万8千円

・二輪1万5千円

・小特等1万2千円

まず、ながらスマホが交通事故などの危険に結び付いた場合、改正前は反則金を納付すれば、原則として刑事罰を課せられない「軽微な違反」にしかすぎませんでした。しかし改正後は即刑事罰が適用される「重大な違反」となったため、ドライバーに必ず「前科」が付きます。

検挙時に発行される違反切符も青切符ではなく「赤切符」へ、刑事罰も大幅に厳格化されています。そして高額な罰金を支払えない場合、刑事起訴・裁判を経て「懲役囚」となり、刑務所へ収監されることになるのです。さらに、違反点数が2点から3倍の「6点」へ引き上げられたため、仮にこれまで全く違反・事故のないドライバーであっても一発免停(30日)ですし、事故発生時の責任割合にも影響するため、賠償金の支払い額も増える可能性があります。

ながらスマホで万が一死亡事故を起こした場合、自動車運転処罰法違反(過失致死)の罪に問われ、前述した愛知・ポケモンGO死亡事故の加害ドライバーは、第一審・二審ともに、過失事故としては異例の実刑判決を下されています。これは、ながらスマホがそれほど危険であることを顕著に示す判決であり、筆者を含めハンドルを握るすべてのドライバーは、ながらスマホが人の命を奪いかねない「犯罪行為」であるという認識を、強く持つ必要があると言えるでしょう。

一方、事故を伴わない「保持」の罰則も強化されており、刑事罰には懲役刑が追加され罰金は2倍の10万円以下に引き上げられたほか、違反点数も3点と信号無視や25km/h未満の速度超過より「重大な違反」として処分されます。当然、反則金も約3倍にまで引き上げられましたが、ながらスマホを繰り返したり、違反を認めず反則金の支払いを拒んだ場合、手続きに沿って刑事罰が適用される可能性もあります。

なお、改正前は交通の危険・保持共に、酒気帯び点数(※)がいずれも14点でしたが、改正後はそれぞれ16点・15点に引き上げられたため、検挙された場合は即免許取り消し処分を受けることになります。

 

※酒気帯び点数・・・呼気中のアルコール濃度が0.15mg/L以上0.25mg/L未満の酒気を帯びていた場合の携帯電話使用等違反点数

自動運転とながらスマホとの関連性について

ながらスマホ厳罰化に合わせ、今回の改正では「自動運転技術の実用化に対応した規定の整備」も重要な骨子の1つであり、具体的には「認知・予測・判断・操作」など、運転に関するすべての能力を有するシステムを「自動運転装置」と新たに定義しました。

そして、自動運転レベル3(緊急時以外の自律運転)が実行されている場合、ドライバーが直ちに運転へ復帰・対処できる場合に限り、ながらスマホが可能となる規定も盛り込まれています。また、パソコン操作・読書・食事なども同条件で許容される見込みですが、居眠りや飲酒など正常にかつ速やかに運転に復帰できないケースは、従来通り道路交通法違反として処罰されます。

加えて、自動運転車使用に関する違反項目、並びに刑事罰・違反点数・反則金規定が、下記の通り「新設」されることになります。

違反内容罰則規定(改正後)
・自動運行装置使用に係る違反

(整備不良・使用条件違反等)

・作動状態記録装置不備

3月以下の懲役又は5万円以下の罰金
・自動運行装置に係る整備不良車両の運転禁止違反

・自動運行装置使用条件違反(高速道路に限るなど)

・作動状態記録装置の不備

【違反点数】2点

【反則金】・大型1万2千円

・普通9千円

・二輪7千円

・小特等6千円

つまり、法改正によってレベル3以上なら「ながらスマホ」が許可されるものの、点検・整備による車両保安・管理や使用条件の徹底に関し、ユーザーはこれまで以上に配慮する義務が生じるという訳です。なお、自動運転関連の改正は車両安全性を確保する制度の整備が必要なため、2019年5月24日の公布から1年以内とされている、「改正道路運送車両法」との同時施行が見込まれています。

ながら運転厳罰化に向けたサービスも登場

「保持」であっても大幅に反則金が引き上げられ、交通の危険に結び付いた場合は即刻免停となるため、配達先の情報確認などでスマホを利用する運送業者や、車両を多数保有する企業は法順守を推進しつつ、業務に支障が出ないよう対策を練る必要も出てきました。

そんな中、法人向けに「ながらスマホ防止」を目的とした新サービスが続々登場し、交通事故発生の抑制はもちろん業務改善に役立つツールとして、多くの企業が導入を始めています。

三井住友海上:運転中のスマホ自動停止アプリ提供を開始

三井住友海上火災保険は、運転中にスマホの全機能を強制停止するアプリを開発し、10台以上の自動車保険をフリート契約している法人を対象に、当該アプリの無料提供を始めています。

1台3,500円程度の車載機が必要ですが、アプリを導入したスマホを持って車に乗り込むと、シガーソケットに取り付けた車載端末の電波をスマホが受信し、アプリが自動的に起動。20km/hを超えるとスマホの速度センサーが感知し、アプリが強制的に通話を始めとするスマホ操作を不可にしますが、停車すれば再び操作可能となるほか、停止中の着信履歴は残る仕組みになっています。

また、各車両のアプリ起動状態や急加速・急減速などの運転状況を、専用WEBを通じて管理者が随時確認できるため、ながらスマホに起因する事故予防と同時に、従業員の安全運転意識向上や動態管理による業務改善にも役立ちます。同社は、導入を条件に保険料の引き下げも検討しているほか、個人契約者向けのアプリ開発も、今後進めていく方針のようです。

ダイハツ:スマホロック機能を新型車種に追加

ダイハツ工業は11月に発売した新型車「ロッキー」へオプション搭載可能な通信サービス「ダイハツコネクト」に、スマホの地図アプリとカーナビを接続した場合、スマホの画面を自動ロックする新機能を追加しました。

車載カーナビでスマホの地図アプリを利用できる仕組みになっていますが、ながらスマホにはカーナビ操作・注視も含まれるため一定の抑止力は期待できるものの、ドライバーが前方と周囲に注意を怠らない上での利用、つまり同乗者ありきでの利用が前提となります。

オリックス自動車:ながらスマホを感知するAIドライブレコーダーの販売が好調

オリックス自動車は2018年、米国・Nautoと自動車リース会社としての独占販売契約を締結し、国内企業向けにAIドライブレコーダーである「ナウト」の販売を開始しました。ナウトは、AIと通信機能を備えた2つの高性能小型カメラが、車内外で発生した事象を検出・録画、運転の危険度をリアルタイムに分析したうえで、運転者に危険を知らせるドライブレコーダー。

ながらスマホはもちろん他のわき見運転や居眠り運転、車間距離不足やあおり運転に対する警告もなされるほか、警告履歴を管理者が確認できるシステムになっているため、企業の安全運転向上に寄与する、非常に優秀なツールであると言えます。また同社によると、道路交通法改正法案が成立してから3ヶ月間で、ナウトの売上は約2倍に増加したそうですから、ながらスマホ厳罰化に対する対策を企業が急いでいるかわかります。

さらに高度な安全管理をするなら

私的な利用はともかく、業務連絡のやり取りや、指示だしのために電話やチャットアプリで連絡を取り合う企業様もいらっしゃいます。ただし、運転中のドライバーの行動、車両の運転状況は事務所からは把握できず、事業所としては連絡が取れない、状況が把握できないことにイライラや不安を、ドライバーとしては運転中なので電話を取るべきかと、それぞれ判断が難しいシーンも多くあるはず。

とはいえ、今回のながらスマホの厳罰化は、企業にとって大きな痛手となりますので、可能であれば運転中にスマホを触ることがないよう徹底し、事故防止に努めなくてはなりません。それでも業務を効率的に回すには、行動を把握し、安全な状態の時に連絡を入れてあげましょう。このような動態管理で役立つのが、スマートドライブの「SmartDirve Fleet」です。

リアルタイムGPS管理機能で車両の今の位置を把握し、安全な連携体制によって業務の効率化に繋げる

急な集荷やお問い合わせが発生した場所に地図上から1番近くにいる車両がどこにいるのか、リアルタイムに把握することが可能なため、電話やメールで現在位置を確認して回る必要がなくなります。

走行データを自動で集計し、誰でも簡単に可視化

自動的に走行時間、走行開始時間・終了時間、走行距離が集計されるのはもちろん。急ハンドル、急ブレーキ、急加速の回数も自動的に集計され安全運転スコアも算出されます。自動で集計された走行データにコメントを書き込むだけで日報が完成します。また日報はドライバー自身がスマートフォンからも入力が可能です。

 

このほか、自動で作成できる運転日報、個々のドライバーの運転の癖がわかる安全運転診断など、機能が盛りだくさん。ぜひ、こちらよりお問い合わせください。

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