インドの中古車市場が熱い!新車以上に売れているワケ

現在、インドでは自動車市場、特に中古車市場が盛り上がりを見せており、2018~2019年には日本を抜いて、世界第3位の自動車大国になると予想されています。
では、なぜインドでは新車以上に中古車が売れるようになり、多くの一般人がマイカーを所有できるようになったのでしょうか?

今回はインドの自動車市場の変容と、現在のインド中古車市場を牽引している企業・サービスについてご紹介します。

 

インドは世界トップクラスの自動車大国

 

広い国土と豊かな人的資源を持つインドの経済のなかでも、特に「自動車産業」が拡大の一途を辿っています。
自動車の生産および販売台数、そして生産額は2000年代に入ってから軒並み急成長をしており、2011年には総販売台数で世界第6位となりました。(ちなみにその年日本は世界第3位でした)

自動車メーカーの生産拠点は、おもに北部(デリー、グルガーオン周辺)西部(ムンバイ、プネ周辺)南部(バンガロール周辺およびチェンナイ周辺)東部(コルカタ周辺)の4つの地域に分散しており、国内の自動車メーカー3社、そして日本の自動車メーカースズキ・ホンダ・トヨタ・ニッサン4社を含む約15の主要自動車メーカーが販売競争を繰り広げています

インドで自動車を購入しているのは、おもに所得でいう「中間層」にあたる個人ですが、2015年の段階で、政府の金融緩和を契機とした自動車ローンの金利の引き下げや各自動車メーカーの新車戦略が行われ、消費者の購買意欲が熱を上げているようです。中間層はインドの全人口の25%とされていますが、2030年までには倍の50%を超えると言われています。

インドの人口は現在12億ほどと言われています。消費者支出は2011年から2倍に増えており、今後も消費地として自動車の需要は伸びていくと言われています。今後のインドの自動車産業の発展はインドの経済の成長にも大きく関係していくことでしょう。

 

インドでは新車よりも中古車のほうが売れている

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Photo by Stefano Ravioli from flickr

インドの自動車市場の大きな特徴として、新車より中古車のほうが販売台数が多いことが挙げられます。
「インド自動車工業会」という団体が発表したデータによると、2013年には国内での新車販売台数が毎月減少していたのに対し、中古車の販売台数は年率にして約22%上昇。2012年以降は、中古車の販売台数が新車の販売台数を常に上回っています。

かつてインドの中古車市場は、取引のほとんどが個人間または個人経営に近い小規模なディーラーによって行われており、「インドの中古車の80%はメーターがいじられている」といわれるほど、品質管理はずさんなものでした。
しかし21世紀に入って以降、マルチ・スズキ・インディアやトヨタ自動車、タタ・モーターズといった大手自動車メーカーが中古車サービス部門を立ち上げるようになり、さらに「Car Trade」や「Auto Exchange」といった、中古車販売仲介を目的としたウェブサイトを開設する企業も出てきたことで、中古車ビジネスが盛り上がりを見せるようになっていきました。

そこで、現在のインドの中古車市場を支えている多くの企業のなかから、大きく市場を変化させようとしている、「droom」を提供しているドゥルーム・テクノロジーをご紹介します。

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ドゥルーム・テクノロジーと「droom」

ドゥルーム・テクノロジー(以降「ドゥルーム社」)は、2014年4月にインドのグルガオンという都市に設立された、インド国内最大の車両専門オンラインマーケットプレイス運営業者です。
そして、このドゥルーム社が運営している「droom」は、新車・中古車を問わず自動車やバイクの売買ができるショッピングアプリで、インド中の個人、ディーラー(販売業者)、ブローカー(転売業者)に利用されていますその品揃えはインドのタタ・モーターズの低価格車「ナノ」から、高級車のランボルギーニまで、幅広く15,000点以上もの商品を取り扱っています。

2014年11月にサービスを開始してから半年間で取引総額100億円を突破、2016年8月時点でのダウンロード数は累計300万件を超えており、1,200万ドルもの金額がひと月に流通しているといわれています。
実はこのドゥルーム社は日本の企業とも関わりがあり、2015年7月に株式会社デジタルガレージ(本社:東京都渋谷区)とBEENOS株式会社(本社:東京都品川区)の2社共同で総額約20億円の出資がされたことは、業界の間で話題にもなりました。
購入者は充実した品揃えの中、低価格で欲しいものが安心できる取引で手に入り、また販売者にとっても低い手数料で最新のオンラインツールを活用し、事業を拡大させることができるドゥルームのサービス。
今までは不透明で消費者が納得できないような取引が蔓延していたインドの自動車市場が、ドゥルームによって大きく変わろうとしています。

 

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インドでは革新的だった「droom」の特徴

 

「droom」は、これまでのインド中古車市場にはなかった以下のような方法を使って、その人気を不動のものとしました。

モバイルファーストの創業

インドでは、パソコンよりもモバイルインターネットのほうが普及していたこともあり、「droom」はモバイル向けのアプリとして開発されました。モバイルファーストのサービスで、利用者は外出先や移動中などのちょっとした空いている時間に商品を選ぶことができ、簡単に中古車の取引ができようになりました。

中古車の取引の透明化

ドゥルーム社はアメリカ先進事例を参考にしながら、「オレンジブックバリュー」というシステムを構築しました。
これは売り手が売却しようとしている車両の価格の目安を知るために活用するもので、使用年数に応じた「劣化指数」や、ディーラーに売っていた場合に発生する手数料なども考慮した上での価格ゾーンが見積もりされるというものです。
また売ろうとしている車両に関するチェックポイントを売り手が多く答えるほど、その人の「信頼度スコア」が上がるようになっており、これも取引の透明化に役立っています。

車検業者のネットワーク化

またドゥルーム社は、これまでブラックボックス化されることが多かった中古車の品質を上げるために、同社と契約を結んでいる車検業者の認証を取ることで、先述の「信頼度スコア」を上げられるようにしました。
この新たな試みは、国内に約50万社ある車検業者のネットワーク化にも一役買っています。

コミットメントフィー

コミットメントフィーは、購入前に車両に試乗できたり売り手と時間をかけてやりとりをすることができる、買い手にとって嬉しいサービスです。その仕組みとは、買い手が中古車の購入予定金額を提示し、その2%をドゥルーム社に預けることで、売り手が一定期間その車両を取り置いてくれるというもの。
このサービスを導入したことにより、買い手はじっくりと購入する車を選べるようになり、売り手は購入してもらうために真剣に買い手に対応するようになったといいます。

 

インドの勢いに日本も負けていられない!?

 

今回は急成長を続けるインドの自動車市場と、中古車取引のシステムに革命を起こしたドゥルーム社について紹介しました。
ドゥルーム社は今後本格的な集客のプロモーションを行い、自家用車以外にも業務用のバスや、工業用の重機の取り扱いを始め、保険やローンなどのカテゴリへの拡大を進めていく予定だそう。現在は誕生日などのとっておきの日に、ヘリコプターやプライベートジェット利用して特別な時間を楽しめるプランも始まっています。

今後2年以内には、出品者の数は5万社以上、また商品数は20万点以上を目標としており、さらなる事業の拡大をインド国内および東南アジアや中東アジアでもビジネス展開を進めていくそう。近い将来、日本国内でもドゥルームのサービスを利用する日が来るのではないでしょうか?

このままインドの自動車市場の勢いが加速し、一気に日本の自動車市場を追い越してしまうかもしれませんね。

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