ドローンで空飛ぶホームセキュリティ実現!センサー検知で即出動

ここ数年ですっかり格好の撮影機材として定着したドローンですが、もちろんカメラで撮影するだけではなく、荷物の輸送など様々な用途への応用が考えられています。

しかしカメラ搭載型ドローンもうまく使えばまだまだ用途があるようで、それが今回紹介する「空飛ぶホームセキュリティ」です。

インターネットの普及で再発展したホームセキュリティ

監視カメラ

Photo credit: Intel Free Press

ホームセキュリティと聞いて多くの方がイメージされるのが、昔ながらのセンサーを使った警報装置や監視カメラではないでしょうか?

警報が鳴れば飛んでくる警備会社などの仕組みは「機械警備」と呼ばれ、非常に高いセキュリティ能力を発揮しますが、当然費用もかかります。アナログ式のカメラで撮影された画像をビデオで録音して…という仕組みも煩雑で、個人の家で導入しようとなると、なかなか敷居が高かったのが現実です。

しかし、インターネットの普及、それによる通信回線のブロードバンド化や無線通信技術の発達は、ホームセキュリティの世界にも新しい可能性をもたらしました。

センサーに何か引っかかれば携帯電話やスマートフォンで自ら警報を受けられるようになりましたし、監視カメラの映像も安価なハードディスク、さらにクラウド上のサーバーに膨大な量の録画データを保存できるようになったのです。

カメラ自体もアナログカメラより配線が非常に容易で場所も取らないネットワークカメラ、さらに無線LANで映像を送るカメラの登場で配線自体も不要になります。

そうして撮影された映像は録画だけではなく、手元のスマートフォンやパソコンでも確認できますから、特に裕福というわけでもない一般個人でも、警備会社を呼ぶほどではないというレベルまでならセキュリティを強化できることになりました。

しかし、それではまだ十分ではないと考える人はいます。

 

現在のホームセキュリティが抱える、3つの課題点

監視カメラ2

Photo credit: John M. P. Knox

さらに進化した次世代ホームセキュリティを考え出し、210万ドル(約2.3億円)もの資金調達を行ったのは、米カリフォルニア州パロアルトを拠点とするSunflower Labsです。

その基本的な考え方は「現在の、固定されたカメラで常時監視するというホームセキュリティには3つの問題点がある」というもの。

 

  1. 固定されたカメラで監視するのにとどまる限り、侵入者が家に近づいたり、実際に侵入するまではそれが侵入者だと認識できない
  2. カメラの位置を把握されてしまえば死角があることがわかってしまうし、把握していなくとも偶然死角から入りこまれてしまえば、目が行き届かない
  3. 不要な対象まで撮影してしまうことで、結果的にユーザーのプライバシーを常時侵してしまうしまう可能性がある

 

Sunflower LabsのCEO(最高経営責任者)、Slex Pachikov氏と同CTO(最高技術責任者)のChris Eheim氏は、この問題点に対して従来とは全く異なるアプローチで対処することを考案しました。

 

空飛ぶドローンでホームセキュリティ

その新しいアプローチとは、センサーつきライトとドローンの活用です。このシステムは「スマートライト」と「スマートカメラ」の2つが基本となります。

スマートライトは太陽光から電力供給を受けるライトで、見た目は単に家の周りを照らすだけですが、搭載されているセンサーではライトの周囲で不審な動きや音、振動を検知します。

こう書くと高度な機械のように思えますが、よく考えてみると日本でも普通にホームセンターで購入できて、一般家庭にもよく取り付けられている「センサーライト」の延長線上にあるものでしょう。

センサーライトの人感センサーは大抵、単純に赤外線で人間を感知するだけですが、スマートライトの場合はより高度なセンサーを搭載していると思っていただくといいかもしれません。

このスマートライトは検知された不審な動きを、アラートとしてユーザーのスマートフォンアプリに発信する役割も持っています。アプリでは毎朝出勤する車の動きや、遊んでいる子供など日常的なルーティンは無視する学習機能を持っているので、不審な動き以外の無用なアラートは出さなくなっていくのです。

スマートライト自体はどこにでもある防犯灯ですから数を増やして目立っても構いませんし、見た目には厳重なセキュリティが敷かれているようにも見えません。

そしてスマートライトでいよいよ不審な動きが検知されると、「スマートカメラ」が出動します。

 

固定されない自在の撮影型ドローン「スマートカメラ」


スマートライトで検知すると飛び立つ「スマートカメラ」は、カメラを搭載した撮影型ドローンです。

スマートライトが検知した対象に向けて撮影するために飛び出し、不審者を撮影して無線で映像を送信、動画を保存すると共に、通知を受けたユーザーがチェックすることもできます。

この方式の素晴らしいところはいくつもありますが、

  • まずカメラが固定されていないのでドローンが飛行可能な場所である限り、死角らしい死角を作らないこと
  • 24時間常時監視しているわけではないので、映像を保存するためのハードディスクやネット上の記録スペースが最低限で済むこと
  • セキュリティ対象のユーザーや、近所の住民にとっても、いつでも監視されているという心理的負担を減らせること

などが挙げられます。

また、そのコンセプトの中で明確に謳われているわけではありませんが飛来するドローンがいわば「番犬」の役目も果たすと考えられます。

スマートライトとの組み合わせにより、不要な目標に対して常に飛び立たないよう学習していますから、侵入を企てる者がいるとしたらまずドローンが飛んできただけで驚くでしょう。

それだけで侵入を断念してくれればしめたものですし、仮にそれでも侵入をやめなかったり、ましてやスマートカメラを「撃墜」しようとすれば、全て動画に残ります。

固定された監視カメラでは絶対にできない芸当なので、基本的には非常に優れたホームセキュリティだと考えて良いでしょう。

考えられるハードル

ハードル

Photo credit: CLAUDIA DEA

とはいえ、現状で全く問題が無いわけではありません。

スマートライト自体は、複数のセンサーを組み合わせることで悪天候時でもその効果をある程度発揮できますし、バッテリーの容量を大きくすれば、太陽光発電パネルが十分な電力を生み出せなくても機能するはずです。

ただし、そもそもセンサーで感知できなければスマートカメラが出動することも無いですから、いかなる天候でも感知できるだけのセンサーが必要です。あまり敏感なセンサーにしてもちょっとしたことで警報を出してしまいますから、そこを判断する優秀なAI(人工知能)も合わせて必要になるでしょう。

スマートカメラとして機能するドローンも、悪天候だからと出動できないようでは困ります。

産業用ドローンの中には全天候タイプのものもありますから、そういったものの中で強風でも出動できるタイプが求められます。

最近ではドローンに対して電波妨害をかける撃退システムがありますし、仮にそれを避けようと自律飛行タイプにしても映像送信を妨害されては意味がありませんから、電波妨害に対抗するシステムが必要になるはずです。

近接して隣家が存在する場合には、ご近所づきあいのトラブルを回避しつつセキュリティも保てるよう、考える必要もあるでしょう。

 

まずは安価なビジネスモデルから

とはいえ、Sunflower Labsではそこまでガチガチに固めた高機能タイプを開発するよりも、多少性能は妥協しても安価で導入しやすい現実的なタイプを予定しているようです。

どうやら2016年11月の資金調達は、同社が持つテクノロジーの可能性を実証していくための資金であって、システムやサービス自体はすでに提供可能な状態にある模様。この「空飛ぶホームセキュリティ」は同社が直接オンラインで販売するところから始めて、2017年には米国で家電量販店での販売も開始します。

現在の予約受付価格はわずか25ドル(約2,776円)と激安で、同社はハードウェアを安価に提供する代わり、ホームセキュリティサービスの月額料金で利益を上げる方針のようです。

今回得た資金で、将来的にはさらにバージョンアップされたシステムが登場するかもしれませんから、それも楽しみですね。

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