【稟議書の準備と進め方】車両管理システム導入時の社内処理の進め方 – その2

【稟議書の準備と進め方】車両管理システム導入時の社内処理の進め方 – その2

前回の「社内処理の進め方 〜稟議書の必要性と書き方のコツ〜」では、稟議書と決裁書の違いから書き方のポイント、稟議書を通しやすくするコツまでをご紹介しました。この記事では、車両管理システムを具体例に挙げて稟議書を進める方法をお伝えします。

稟議書で一番重要な「購入理由」

稟議書の中でも、決裁者が一番重要視するのが購入理由です。そのため、明確かつ簡潔に、なんのために購入するのか、なぜそれが必要なのか、購入することでどのようなメリットがあるのかを伝えなくてはなりません。

「企業が導入することでどのようなメリットが得られるのか」に焦点をあて、導入前後での違いを記しましょう。

車両管理導入のメリット1. 交通事故削減で、事故に関するコストをなくす

交通事故によって発生する事故対応コストは、以下の図の項目が挙げられます。実際には直接金銭を支出する直接損害だけではなく、目に見えない「間接損害」も多く発生するため、損害額は想定以上に大きいものとなります。

 

コスト面だけでなく、一番大きな損失は社会的な企業の信頼も失ってしまうことです。企業にとって大きな負担となる交通事故を少しでも減らすことを第一目的とした場合、次のような導入メリットを記載しましょう。

導入前:
・外出先でドライバーがどのような運転をしているのか、客観的な指標がないため個々のドライバーの力量に頼るしかない状況になっている。そのため、事故を起こした前後の状況や明確な要因がわからず、今後の指導が困難になっている。
・安全運転教育が集合型の講習にとどまっているため、スキルがそれぞれ違うにも関わらずドライバーの特性に応じた教育ができず、意識の向上が見られない。

導入後:
・急加速・急減速・急ハンドリングなどの危険運転が発生した場所や時間を自動で記録できることので、管理者側は今まで見えなかったドライバーの運転状態を把握することができるようになる。
・運転状況が可視化されることで、一人ひとりのドライバーの運転傾向に応じた具体的な安全運転指導を行うことができるようになるため、事故を大幅に削減することができる。ドライバーも自身の運転を見直すことができ、安全運転意識もアップする。

車両管理導入のメリット2. 法令遵守・コンプライアンスの強化

働き方改革に向けた法改正、荷待ち時間の記録義務化など、近年はとくに労働時間の徹底管理が企業側に求められています。残業時間を超えた場合は翌日の労働時間の調整や残業代の計算を行わなくてはなりませんが、自己申告制としていると、正確に記録が残せない場合も。しかし、労働時間をしっかり管理できていないと、労働基準法の違反となります。全ドライバーの業務時間を確実に把握し記録できることも車両管理システムのメリットの一つです。

導入前:
・安全運転管理者や運行管理者規定により運行日報の記録は義務づけられているものの、ドライバーに一任しているため記録漏れが発生している。
・企業所有の車両で直行直帰をした際の労働時間を正確に把握できず、残業時間の削減をはじめとする働き方改革への対応がなかなか進められない。

導入後:
・走行距離・時間や行き先をはじめとする走行データが自動で取得されるため、運行日報を抜け漏れなく記録することができる。
・直行直帰であっても、走行データとして確実に記録されるため、正確な労働時間を把握できる。その記録をもとに、働き方改革への施策を講じることが可能に。

車両管理導入のメリット3. 車両管理における業務効率化とコスト削減

車両管理の業務は非常に多岐にわたるものです。保険だけ、車両の情報だけなど、すべての情報がバラバラに、なおかつ書類で管理されていることも少なくありません。管理者しか情報を把握していないと、不在時に確認作業が遅れたり、非常時に対応が遅れてしまったり、業務を滞ることも考えられます。

導入前:
・リースや保険、ドライバー情報など、車両にまつわる情報がバラバラで管理に手間がかかっている。なおかつ、管理者にしかこれらの情報がわからないため、誰もが必要な時に必要な情報がわかるようにしたい。
・実際に車両がいつ・どれだけ稼働しているかわからず、本当に必要な台数が把握できていない。 そのため車両台数ばかりが膨らみ、保険料やメンテナンス費用などのコストがかさんでしまっている。

導入後:
・運転免許証、車検、リース、車両保険、定期メンテナンス情報など、車とドライバーに関する全情報の一元管理が可能となり、必要な時にすぐに情報を参照できる。そのため、確認業務の工数を大幅に削減、業務の効率化につながる。
・車両の稼働状況を日別や時間帯別に可視化することができるので、稼働状況をもとにある一定基準を下回る利用状況の場合は台数を減らすなど策を講じることが可能。コスト削減が行える。

車両管理導入のメリット4. 営業生産性の向上

外回りの営業は、管理者側にとって活動が見えづらく評価の適正化が難しいものです。営業活動と移動時間、それぞれが可視化されれば、生産性向上に向けた改善が行えます。

導入前:
・商談にどれだけの時間を使ったか、商談以外の時間(移動時間等)にどれだけ費やしているか、正確な情報がわからなく適正な改善指示が行えない。
・訪問先の位置情報・位置関係がわからないため、その日の訪問計画・ルートが効率的か否かわからない。

導入後:
・営業一人ひとりの日々の活動(訪問先・時間の使い方)の可視化により、 次の4点が明確になり、適切なアドバイスや改善策を打つことができる。そうすることで営業活動の生産性向上につながる。
今、注力すべき顧客に時間を投じられているか
商談時間はしっかり確保できているか
移動時間ばかりに時間が取られていないか
訪問計画(ルート)は適正か

車両管理導入のメリット5. 顧客満足度の向上

製品やサービスを提供することも大事ですが、企業が事業を成長させるためにもっとも重要なのが、顧客との信頼関係構築です。取引を継続するためにも、柔軟かつ丁寧に、そして迅速なコミュニケーションを行いましょう。

導入前:
・お客様からの緊急対応依頼が入った際に、誰が一番近くにいて対応ができそうか、ドライバー一人ひとりに電話で確認しなくてはならないため、人員アサインに時間がかかってしまう。結果、お客様にもお待たせしてしまうことに。
・お客様から「あと、どれぐらいで到着いただけますか?」と問合せいただいても、ドライバーへの確認が必要なため回答に時間を要している。

導入後:
・すべての車両の位置情報や運行状況がリアルタイムでわかるので、わざわざ電話で確認することなく、現場付近にいるドライバーをすぐに確認し、派遣させることができる。そうすることで、お客様をお待たせする時間もなくなり、満足度向上につながる。
・到着までの時間を問い合わせいただいても、ドライバーの現在地からすぐに回答ができるので、お客様を待たせることがない。ドライバーへの確認業務も不要になるので、オペレーション業務の最適化も行える。

 

スムーズかつ確実に稟議を通すために事前準備をしっかりと!

稟議書の作成は一見難しいように思われるかもしれませんが、ポイントを押さえて記載をすることで、スムーズに進めることができるはず。もし、車両管理システムの稟議書を作成後、関係者や決裁者から質問がきたら、「車両管理サービス導入にあたっての稟議書の書き方」の質問対策編を参考に、ご対応いただければと思います。
企業のビジネス推進や業務改革を進める一助となれば幸いです。

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