ついに施行開始!働き方改革関連法で何が変わりどんな影響を受けるのか

ついに施行開始!働き方改革関連法で何が変わりどんな影響を受けるのか

少子高齢化が急加速で進行し、我が国の総人口は減少の一途をたどっていますが、それにも増して問題視されているのが、15~64歳までの生産年齢人口が右肩下がりの傾向にあることです。

慢性的な労働力不足に伴い、長時間労働・サービス残業など労働環境悪化に歯止めがかからない中、2018年6月29日に参議院で可決・成立した、「働き方改革関連法」が平成最後の今年度4月1日、ついに施行が開始され、大きな注目が集まっています。この記事では、具体的な働き方改革関連法の内容、施行によって企業や労働者にどのような影響が起こるのかを解説します。

2019年4月1日から順次施行される「働き方改革関連法」とは

働き方改革関連法とは、減少する生産年齢人口を鑑み、これまで労働力として活躍の場が少なかった女性や高齢者の方々の就労促進や正規・非正規社員との格差是正、さらに長時間労働の解消などの実現を目指し、下記8つの国内労働法を改正するために成立した法律です。

  1. 労働基準法
  2. 労働安全衛生法
  3. 労働時間等設定改善法
  4. じん肺法
  5. 雇用対策法
  6. 労働契約法
  7. パートタイム労働法
  8. 労働者派遣法

2015年の通常国会において法案はすでに提出されており、翌年9月には安倍首相を議長とする「働き方改革実現会議」が発足します。衆議院の解散に伴い一度廃案となりましたが、一部修正のうえ衆・参両院を通過し、今回の施行にこぎつけたという経緯があります。廃案になった要因は、初案に盛り込まれていた時間外労働割増賃金の削減や、高度プロフェッショナル制度が、「サービス残業や過労死を助長しかねない」と、野党のみならず与党からも噴出したためです。

知っておくべき具体的な改正内容について

経緯はともかく、成立・順次施行されたからには、経営者や人事担当責任者だけでなく働く誰もが働き方改革関連法によって改正される具体的な内容を理解し、対応していかなくてはなりません。

この項では、働き方改革関連法の基本的な考え方である「3つの柱」を解説し、厚生労働諸王が発表した改正内容・施行時期が一見してわかるよう、下記に一覧を提示します。すでに施行開始しているものについては日にちが赤くなっています。

第1の柱 「働き方改革の総合的かつ継続的な推進」

まずは、働き方改革の基本思想を法的に明確にするため、雇用対策法に職業生活の充実、労働生産性の向上などを促進することが目的規定に加えられ、名称も「労働施策総合推進法」へと改められました。また、国は労働条件の改善や同一労働同一賃金の推進などの施策を講じること、事業主はそれを実現するための環境整備に努めるのが責務であるとする、「基本方針」も盛り込まれています。

第2の柱 「長時間労働の是正・多様で柔軟な働き方の実現等」

働き方改革の基本中の基本となる第1の柱に続いて打ち出されたのは、より実務的な影響を及ぼす「労働基準法・労働安全衛生法・労働時間等設定改善法・じん肺法」の改正という第2の柱。ここでは以下の点がポイントになります。

  • 時間外労働の上限規制の導入・・・年720時間・単月100時間未満・複数月平均80時間を、時間外労働の上限とする。
  • 年次有給休暇の取得義務化・・・事業者に、年5日の有休取得を義務化する。
  • フレックスタイム制の見直し・・・現状1ヵ月のフレックスタイムの清算期間を、3ヵ月に延長。
  • 高度プロフェッショナル制度の創設・・・高度な専門知識を有し、一定水準以上の年収を得ている専門職を、労働時間規制の対象から除外する。(年間104日の休日を確実に取得などが要件)
  • 勤務間インターバル制度導入の努力義務化・・・終業から次の始業までの間に、一定時間の休息を確保する。
  • 産業医・産業保健機能の強化・・・事業者による産業保健業務を適切に行うため、必要な情報を産業医に提供したうえで、産業医が行った労働者の健康管理等に関する勧告の内容を、衛生委員会等に報告する。

第3の柱 「雇用形態にかかわらない公正な待遇の確保」

派遣社員・アルバイト・パートと正規雇用者との待遇差を無くすため、「労働契約法・パートタイム労働法・労働者派遣法」で以下の点が改正されました。

  • 不合理な待遇差を解消するための規定・・・正規雇用者と非正規雇用者の労働内容が同じであれば、均等な待遇を確保する。(同一労働同一賃金)
  • 派遣労働者を保護する規定・・・派遣先との均等・均衡待遇方式か、一定の要件を満たす労使協定方式どちらかの待遇を確保する。
  • 待遇に関する説明義務の強化・・・非正規雇用者から求められたら、正規雇用者との待遇差の内容・理由を説明しなければならない。
  • 履行確保措置と裁判外紛争解決手続の整備・・・前述の改正内容が速やかにかつ確実に遂行されるよう、行政による整備が行われる。

「働き方改革関連法」を守らないとどうなる?

今回の関連法による改正ポイントは、前項で解説したとおり多岐にわたるため、どこから対応を進めていくべきか頭を悩ませている経営者や人事・労務担当者も多くいらっしゃるかもしれません。将来的にはすべての改正内容をクリアし、労使一丸となって働き方改革の最たる目的、「一億総活躍社会」の実現にまい進すべきですが、優先順位を決めるにあたり「罰則がある改正ポイント」から、対応していくというのも1つの手です。

今回の働き方改革関連法の施行に伴い、新たに罰則規定が設けられた改正ポイントは、以下の5つです。なお、文中で述べる「中小企業」とは、以下で示す条件に当てはまる企業であり、それを超える企業は「大企業」に該当します。こちらもご参考ください。

①時間外労働の上限規制

労働環境の改善が働き方改革関連法の屋台骨ですから、時間外労働の上限規制に違反した場合に罰則規定があるのは当然と言えば当然、前述した上限を超過する労働を強いた事業者には、「6ヵ月以下の懲役または30万円以下の罰金」が科せられます。なお大企業は、働き方関連法の施行開始と同時に罰則が適用されますが、中小企業には1年間の猶予期間が儲けられています。

②会社による強制的な有給休暇の時季指定

働き方改革関連法の施行により、事業者は労働者に最低でも年5日の有給休暇を取得させることが義務化されたのですが、もう1つ労働者が自己意思で消化した日数が5日未満の場合、5日間に達するまで会社は強制的に時季を決め、消化させることも規定されました。

規定に反し、5日の有休を消化させなかった場合は「30万円以下の罰金」が科せられ、こちらについては会社の規模に関わらず、2019年4月1日から適用となります。

③清算期間1カ月超のフレックス制を定める際の労使協定提出義務

フレックスタイム制とは、会社ではなく労働者が自身の始業時刻と終業時刻を決める制度です。その清算期間は1年間でフレックス制を適用できる期間のことを指し、今回の改正によって1カ月から3カ月に延長されました。

それに伴い、1カ月を超える清算期間を労使間で定める場合、これまで必要ではなかった労使協定の労働監督署への提出が義務化されました。(1カ月を超えない場合は不要)提出を怠った場合、会社規模に関わらず「30万円以下の罰金」が科せられ、こちらも法改正と同時に対象となります。

④高度プロフェッショナル制度適用者の医師の面接・指導義務

新たに創設された高度プロフェッショナル制度によって、労働時間が一定時間を超える適用者に対し、会社が適時医師面接・健康指導を受けさせることを義務化しました。制度適用者の健康管理が、おろそかになることを防止するための措置であり、義務を怠った場合は「50万円以下の罰金」が科せられ、こちらも企業規模に関わらず法改正と同時の施行となります。

⑤月60時間を超える時間外労働への50%割増率違反

既に大企業には適用されていたこちらですが、長引く不況を鑑み中小企業は猶予措置(50%→25%)が取られていたものの、今回の法施行に伴い2023年4月1日をもって猶予が撤廃されることになりました。猶予撤廃後はたとえ零細企業であっても、50%の割増率を下回った場合は賃金の未払いとみなされ、「6カ月以下の懲役または30万円以下の罰金」が科せられることになります。

この働き方改革関連法によって影響がある業界

働き改革関連法の施行に伴う改正ポイントは、労務にかかわるあらゆるジャンルに及んでいるため、影響が出る業界を探すより影響が出ない業界を見つける方が大変です。強く影響が及ぶと考えられるのは、ヒトを対象に業務を行う「介護・福祉・医療・教育業」や、季節や気候によって労働時間・密度が目まぐるしく変化する「農林水産業」「運送業」になってくるでしょう。

また、制度適用の対象となる「金融証券アナリスト・研究開発員」などを抱える業種や、コンサルティング業を営んでいる方にとっては、高度プロフェッショナル制度を導入するか否かの決断を迫られることにもなるでしょう。

やはりトラック運送業者への影響が顕著か

元々労働力が豊富で資金的にも潤沢な大企業であれば、順次対応していくことも可能ですが、人手不足が続く中小企業の場合、なかなかそうもいきません。そのため、従業員数が10人に満たない小規模事業者が半数を占める物流業界、働き方改革を勧めづらい、トラック運送業者へに与えるインパクトは計り知れないものがあります。なぜなら働き方改革関連法の肝であり、改善を目指し罰則まで設けている長時間労働や、労働環境の是正は、物流業界が解決すべき課題そのものだからです。

厚生労働省の調査によると、2016年度におけるトラックドライバーの年間労働時間は、大型トラック運転者で2,604時間、中小型トラック運転者で2,484時間となっており、全産業平均と比較すると前者は約40時間/月、後者は約30時間/月も長い水準になっています。にもかかわらず、トラックドライバーの年間所得額は、全産業平均と比較して大型トラック運転者で約1割、中小型トラック運転者で約2割低い水準であるとなれば、慢性的な労働不足に陥るのもやむを得ないことなのかもしれません。

さらに就業者の高齢化が顕著であるうえ、全産業では女性が4割以上も参入しているのに対し、トラックドライバーのうち女性が占める割合は約2,5%と極めて低くなっています。今こそ働き方改革法へ対応する体制構築は重要かつ急務だと言えるでしょう。

改正法の罰則より行政処分の方が恐ろしい?

働き方改革関連法での罰則規定は、すべて労働法の範疇にあるため「経営が傾くほど重い」といえるものではなく、一番のネックとなり得る時間外労働時間の上限規制も、運送業者に対しては4年間の猶予期間が設けられています。問題はトラック運送事業者などの過労運転防止や、長時間労働是正を図るべく並行して進んだ行政処分基準引上げの方でしょう。

拘束時間・1日原則13時間以内かつ最大16時間以内(15時間超は週2回以内)

・月293時間以内※荷待ち・荷役作業時間も拘束時間に含む

休息期間・継続8時間以上
運転時間・2日平均で日9時間以内

・2週平均で週44時間以内

連続運転時間・4時間以内(30分以上の休憩確保)

従来は、上表で示した「労働時間のルール」を遵守されていなくとも、5件以内であれば警告で済んでいました。しかし、2018年7月からは1件違反しただけでも、即10日/車の使用停止処分が下されることになっています。違反件数が増えれば20日、30日と停止処分期間は延長されますから、万が一業者ぐるみで複数の違反を犯してしまった場合、企業として死活問題に発展するのは必至です。

働き方改革関連法への対応はともかく、この労働時間のルールについてはすぐさま自社の業務体制を見直し、改善策を講じる必要があるでしょう。

見えない労働時間を”可視化”するには

企業が本格的に働き方改革に着手する前に重要なのが、現状をしっかり把握することです。従業員一人ひとりの就業時間は適正ですか?休憩時間は正しく取得できていますか?運送業であれば荷待ち時間がしっかり記録されていますか? とくに事業所外で仕事に従事しているドライバーや営業車両は勤務状態の把握がなかなか難しいことですが、把握しないまま万が一違反が見つかってしまうと罰則や行政処分の対象になってしまいます。

ですので、ただ改正された内容を反映するだけでなく、現状の課題を洗い出しどこを、何を改善すべきかを理解するところからスタートしましょう。車両のシガーソケットに差し込むだけで利用開始、2,480円〜という価格で手軽に導入できるのが、株式会社スマートドライブが提供している「SmartDrive Fleet」です。  トライアルもあるので、気軽に試していただくことができます。

 

「SmartDrive Fleet」は働き方改革に取り組む企業様の強い味方です。

・勤務時間も休憩時間も荷待ち時間も見える化!

走行履歴を記録することでドライバーの総業務量を可視化します。長時間労働や私的利用もわかるようになるため、訪問件数や運行ルートの改善、的確な注意を促すことが可能に。

・事務的な作業時間をサクッと短縮!

走行ルートや日報は自動で作成されますので、社員の日報や勤怠に活用することも可能です。今まで手書きで作成していた日報の時間を短縮できるので、ドライバーの負担を軽くします。

・GPS機能搭載。リアルタイムで指示出し可能!

働き方改革で長時間労働の是正が決定しています。そのため、無駄な箇所を把握し、より効率的な配送ルートが必須となりますが、天候や道路状況などにも大きく左右されるため、「多分大丈夫だろう」では解決しづらいものです。リアルタイムでの位置情報がわかれば、ドライバーと連携しながらよりスムーズに業務が行えるはずです。

・事故リスクもコストもカット!

安全運転診断機能が搭載されているため、危険運転を自動検知し、走行毎に管理者へ通知します。事故防止を目指した運転教育に役立てることもできますし、安全運転教育が行き渡ることで車両の燃費も向上。事故のリスクも無駄なコストも減らすことができるのです。すべての従業員の安全を守るのも企業のつとめです。

 

導入した企業の具体的な活用事例を記した資料も請求できますので、こちらから是非お気軽にお問い合わせください。働き方改革は働き方を根本的に見直し、改善し、生産性向上を目指す施策です。ぜひ、こうしたツールをうまく活用し、自社の働き方改革を前向きな方向へと導いてください。

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