投稿者: sasaki

  • もはや販売だけじゃない?Amazonの参入で震撼する物流業界

    もはや販売だけじゃない?Amazonの参入で震撼する物流業界

    ネットで買い物をするとき、あなたも一度はAmazonを使ったことがあるのではないでしょうか?そんな私たちの身近な存在、Amazon。そしてそこで購入した商品を私たちの手元に届けてくれるのが運送事業者です。購入こそ手間がかからないものの、Amazonとの間に立ち、商品の配送を円滑にしてくれるのは運送事業者があってこそ。

    しかし、2016年の年末には荷物の集中と人手不足が重なり、「モノが運べない」「モノがなかなか届かない」というトラブルが発生。そんな中、Amazonはそんな課題を解消するべき“あるもの”の開発を進めていると言いますが…。

    ECの王・Amazonと配送問題

    日本でもっとも、いや、世界でも認知度の高いECサイトAmazon。ニヒルな含み笑いを浮かべたロゴには余裕さえ垣間見える気がします。国内では2000年11月1日に日本語版のサイトがオープン。開設当初は書籍のみの取り扱いだったものの、現在では食品や家電、衣類など様々なものを取り扱っています。中にはグランドピアノや酸素カプセルといった高額商品も。

    商品数もさることながら、一部の地域ではインターネット上で注文を受けた商品(対象商品であることが前提)を1時間以内に届けるというプライム・ナウというサービスも提供しています。多く顧客を囲い込み、より消費者の生活を便利にするためとはいえ、ここで負担が増えるのは配送業者。

    荷物の増量に対しサービスの要求が高いことを理由に、2013年には佐川急便がAmazonとの取引から撤退。現在はヤマト運輸が配送を請け負っていますが、一日で一ルート当たり20~30個の荷物が増えたため、ドライバーへの負担は何倍にも膨れ上がっています。冒頭で述べたように、年末には追い打ちをかけるかのような荷物の量。この過酷な状況を知らず、当たり前のように翌日届くと思ってしまっている私たちは「なんで届かないんだ!」とイライラ。
    当日の11時までに注文すればその日のうちに届く。それすらも常識を逸脱する早さだと思っていた数年前。
    良くも悪くもAmazonの進化は今の私たちにとって「宅配」に対する常識を不可逆的に大きく変えてしまったのです。

    そんなAmazonは米国内でも物流に対し動きを見せています。宅配を委託してきたユナイテッド・パーセル・サービスやフェデックスとの契約を解除し、配送ルートを最適化するために全米の40箇所に大規模な配送センターを整備し配送センター間の大規模貨物輸送の効率を高めるために、輸送機をレンタルすることで自前の航空会社の整備を開始。

    2015年は一年間で115億ドル(約1兆1,500億円)もの費用を配送コストとして投入しましたが、宅配業務を自社で実施した場合、年間11億ドル(約1,100億円)のコスト削減が見込めると言います。
    2013年、繁忙期であるクリスマスシーズンの配達の遅延が混乱したAmazon。それをきっかけに米国内での宅配業務を自社で実施することを検討しており、そのうち自社で全て完結できるよう、着々と仕組みを作り、土台を整えているのです。

    Amazonが開発する、配送アプリとは

    米Amazonは2017年の夏ごろに荷主と輸送トラックをマッチングさせる配車アプリのリリースを予定しています。このサービスは運転手と乗客のマッチングサービスUberやトラックドライバーを運送業者とマッチングさせる「コンボイ・ドライバー」のようなアプリになるとのこと。
    そのため、今回リリースされるアプリは商品を販売する店舗とトラックドライバー向けのものとなり、一般ユーザへの提供はありません。

    リアルタイムでドライバーへの支払い料金情報を表示させるほか、ピックアップからドロップオフの場所や指示、道筋、トラッキング、支払いのオプションも提供。決済や請求書発行などの面倒な事務処理もアプリ上で完了できる機能も搭載する予定です。このアプリの普及によって第三者の仲介がなくなり、15%ほどの中間業者の手数料を省くことができるようになります。

    さらに、自社で取り扱う荷物のみに利用するだけでなく他社にもサービスを提供することで、Amazonは新たな収益源を見込んでいるそう。

    Photo credit : DIGIDA tech.net

    類似するサービスとしては、2015年に商品の発送を個人のドライバーに委託する仕組み「Amazon Flex」をスタートさせ、ドライバーは自分の好きな時間を配達時間に充てることができる仕組みを作っています。ドライバーは1日あたり2時間・4時間・8時間の勤務を行うことが可能で、基本的にプライム・ナウ購入された商品を注文から1時間~2時間以内に届けることがメイン。

    これには配達の質を保つためにドライバーに対し「中型セダン以上の4ドア車」を使うよう義務付けています。既存の顧客に対して迅速且つ丁寧なサービスを行うために、そして配達の効率化を目指してAmazonの配送にまつわるサービスはさらに進化をしていきます。

    次々と打ち出されるAmazonの配達手段

    2016年、Amazonは新たなる宅配手段で次々と攻めていきます。8月5日、自社ブランドの貨物航空機「Amazon One」を利用し、輸送業務を開始。米Atlas Air Worldwide Holdings(アトラスエア・ワールドワイド・ホールディングス)と米Air Transport Services Group(エア・トランス ポート・サービス・グループ)から合計40機のBoeing 767-300をリースすることで提携しています。

    契約内容については10年間の米ボーイング製の貨物機機体リースと、7年間の運営受託を組み合わせたもので、乗組員、維持管理、保険などの運営に必要なサービスを7年にわたりアトラスが提供。その7年の間にAmazonがノウハウを吸収し、自社での物流に移行していく可能性が高いとみられています。

    そして12月7日には、ドローンを使った商品の配達実験を開始しました。すでにDHLが配送ドローンでの実地実験に成功していますが、Amazonは準備に3年ほど費やし、ついにその頭角を現そうとしています。

    動画では、顧客が自宅でタブレット端末をタップして商品を注文。その後Amazonの配送センターでドローンに商品が格納され、台車に乗ったドローンが専用の離陸スペースに移動し、そこから勢いよく飛び立ちます。ドローンはGPS(衛星利用測位システム)を使って飛行し、顧客宅の庭にある目印地点に着陸、と、ここまでに要した時間は13分ほど。同機体を利用し、今後はロンドンから100㎞ほど離れたドローン実験施設があるケンブリッジの近くに住む2世帯も対象に加え実験を行い、規模を拡大していく予定です。

    米国では商用としてドローンを運用するには多くの規制をクリアしなくてはなりません。
    飛行高度は地表から400フィート(122m)以下、400フィート以上の高さがある構造物の付近は飛行禁止となり、ドローンはこのような構造物の400フィート以内に近づくことができません。
    またドローン飛行に直接関係のない人の上を飛ぶことも禁止とされ、速度は100マイル(約160㎞)以下にしなくてはならず、飛行時間帯も日の出30分前から日の入り後30分と細かく制限されています。

    やっと目前まで来たドローンでの配達。
    それどころか、Amazonは商品を飛行船に積み込み、空中からドローンで数分以内に注文者へ届ける「飛行船」とこのドローンを組み合わせた「最速配達」を構想していると言います。

    空を大々的に利用してコストを大幅カット

    なるべく低コストで、より迅速に多くの荷物を届けるにはどうすればいいか—。常に頭を捻っている同社が行き着いた先は1930年代に米国で小型戦闘機を飛行船に積み込んで燃料を節約するという、「飛行空母」をベースとしたアイデア。

    すでにアメリカ特許商標庁(USPTO)に、この新たな配送システムの特許を出願、取得済みだと言います。
    具体的には「配達用の無人航空機を利用した空中保管センター」として2014年12月に申請されていたもので、アメリカの特許第9305280号として2016年4月にすでに発行されています。イメージは空飛ぶ倉庫。Amazonが申請した書類によれば、飛行船は高度13.7㎞付近を飛行する計画なのだとか。旅客機の巡航高度10㎞なので、一定の十分な距離が保たれます。

    Amazonはこの配送システムの一例として、スポーツのイベントを挙げています。しかし、ドローン自体は高度が決まっており、人口が密集した中でどのように配送が行われるのか、安全性やドローンが到着するスペースの確保など、まだまだ先行きは不透明。

    2017年は配送だけでなく、空の歴史も大きく変わるかもしれません。

    Amazonはラストワンマイルをも解決できるのか

    配送業者にとって、最後の配送拠点から顧客宅までの「ラストワンマイル」が目の前の一番大きな課題。荷物の受け取りには当たり前のように再配達が可能になっているため、利用者にとって非常に利便性は高くありますが、負担は全て配送業者が被っています。人手不足も重なり、これ以上荷物が増えると配送業者もパンクしてしまうかもしれません。

    Amazonの物流業界参入は、効率化と共に新しい物流の未来を切り開く道しるべとなるのではないでしょうか。ありとあらゆる可能性に対し突き進み、実現しようとしているAmazon。物流業界の変化をさらに押し進め、その構造自体も大きく変えてしまうことになるかもしれませんね。

  • X-By-Wire(エックスバイワイヤ)技術が拡げる自動運転技術の可能性

    近年、自動車メーカーに限らず様々な研究機関、IT企業による自動運転の技術開発競争が激化しています。今後もこの流れは続くと見込まれますが、一方でGoogleの自動運転技術開発の路線変更(当該事業の子会社化 + 自動車メーカーとの積極的な協業)、TESLAの自動運転中(と思われる)の死亡事故など、自動運転技術の難しさやリスクを露呈するニュースや意見等も少なくありません。

    なぜ自動運転技術の開発が難しいのか?

    その難しさを解決するためのキー技術、「X-By-Wire(エックスバイワイヤ)技術」を紹介しつつ、自動運転技術開発の難しさの本質に迫ります。

     

    統合電子制御システム開発にまつわるエンジニアの技術的リテラシー


    この20年で自動車には数多くの統合電子制御システムが搭載されるようになってきました。その背景には、Bosch社による車載用通信プロトコルCAN(Controller Area Network)の普及があります。様々な電子制御が通信によって繋がることで、これまで実現が難しかった機能が数多く実現できるようになりました。

    その代表格はインテリジェントクルーズコントロールではないでしょうか。エンジン、ブレーキ、カメラ、レーダー、それぞれの電子デバイスをネットワークで繋ぎ、統合制御することで前車との距離を適切に保つ機能を実現することが可能になりました。

    このような電子制御の組み合わせは、時として絶大な恩恵をドライバーにもたらしますが、統合電子制御システムの開発はエンジニアにとっては大仕事を意味します。そのシステムを世の中に出すに当たり、膨大な安全性・信頼性開発が待ち受けているためです。

    安全性・信頼性開発ではFMEA(Failure Mode and Effect Analysis)や、FTA(Fault Tree Analysis)などを活用し、システム故障時のフェールセーフをシステムに織り込みます。このフェールセーフに関する詳細については別途、紹介することにしますが、今世の中を走っている最新のクルマには膨大な数のフェールセーフが織り込まれており、ユーザーの安全を確保しています。さらにはISO26262(車載用電子制御システムの安全性・信頼性に関する国際規格)の適用が本格化するなど、安全性・信頼性を担保するために莫大な工数が必要となっています。

    このように、安全性・信頼性開発は自動車開発のエンジニアにとって最もシビアかつ重要なタスクですが、統合する電子制御システムの数が増える程、その重要性は指数関数的に高まることになります。

    しかし、クルマに乗るお客様の命を預かる以上、その仕事に抜け目があることは許されません。まさにエンジニアにとって安全性・信頼性開発のスキルは身に着けなくてはならない重要な技術的リテラシーです。一般的に電子制御システムの機能開発よりも、むしろその機能の安全性・信頼性を担保することの方が圧倒的に難易度は高く、このような技術的リテラシーを持つエンジニアは一流と呼べる実力の持ち主と言っても過言ではありません。

    もちろん、この技術的リテラシーは自動運転技術に携わるエンジニアにとっても重要であり、少なくともIT企業出身のエンジニアにこのリテラシーを身に着けたエンジニアがいるかと言えば、非常に限られているのではないかと思います。このような状況こそが、まさに自動運転技術の開発に挑むIT企業にとって大きな課題となっているのではないかと考えられます。

     

    「エックスバイワイヤ(X-By-Wire)技術」とは?

    Fly-by-Wire (FBW) Flight Control System. Source: AviationNepal

    明確な定義があるわけではありませんが、一般的には「制御対象を、電子信号を経由して狙い通りに制御すること」です。

    この技術の輸送用機器への最初の適用事例としては航空機が最初で、当初はFly-By-Wireと呼ばれていました。Fly-By-Wire技術では、パイロットの操縦桿の動きをストロークセンサで検知、電子信号に置き換え、ラダーやエルロンを電子制御式の油圧アクチュエータなどで作動させます。

    なぜ、Fly-By-Wire技術が開発されたのでしょうか?その理由は航空機の大型化・高速化です。第二次世界大戦の頃、航空機には自動車と同じレシプロエンジンが採用されていました。パイロットの操縦は機械式が採用されており、パイロットの手足の動きが機械的にエンジンスロットル、ラダーに伝わり、機体の動きを制御していたのです。

    しかし、ジェットエンジンの登場で航空機の速度が著しく増加したことで人力による制御が困難になります。この課題を解決するため、より大きな力で、かつ正確な位置制御が可能なFly-By-Wire技術が開発されました。現在では様々な分野にFly-By-Wire技術は適用されていますが、制御対象が航空機だけでなくなったことから、X-By-Wire技術と呼ばれるようになったのです。

    自動車において、X-By-Wire技術は、エンジンスロットル、ブレーキにも採用され、現在では一般的な技術として広く普及しています。また、これまでに適用が難しいとされていたステアリングシステムについても、日産自動車が実用化に成功しています。このように、現在の自動車はドライバーの運転操作が全て電子信号に置き換えられて走行することが可能となっているのです。

     

    自動運転とX-By-Wire技術の関係

    Source: NISSAN MOTOR CORPORATION

    自動車におけるX-By-Wire技術は先にも述べたように、ドライバーの運転操作を信号に置き換えて自動車を走行させることを目的としています。しかし、航空機と異なり、人の力でも十分に自動車の運転操作は可能であるにも関わらず、導入に至ったのはなぜでしょうか?

    その理由は、ドライバーの運転操作が必ずしも正しいとは限らないことにあります。例えば、ドライバーが不適切なアクセル操作を操作すれば燃費の悪化に繋がりますし、ドライバーの意図通りの加速が得られないこともあるでしょう。

    しかし、X-By-Wire技術を応用すればドライバーの運転操作の情報に基づき、最も適切な運転操作を算出して修正することが可能となります。現在ではドライバーの運転操作には何らかの修正が加えられることは、もはや当たり前となっています。

    このように、ドライバーの運転動作は何らかの形で電子制御によって介入を受けていますが、エンジンスロットル、ブレーキ、ステアリングそれぞれの電子制御への介入の割合が100%となること、これがまさに自動運転です。つまり、X-By-Wire技術そのものが自動運転の土台になっているのです。

    現在、全ての運転操作にX-By-Wire技術の適用が実用化されていることから、もはや自動運転の実現は時間の問題と言っても良いかも知れません。

     

    それでもなぜ、自動運転技術の実現が難しいのか?

     

    X-By-Wire技術はドライバー操作への介入が可能です。しかし、その介入は安全性を考慮した上で限られた条件下でのみ、作動されるように設計されています。この限られた条件を外すことが自動運転を実現することを意味しますが、この地球上に存在するすべてのドライバー、すべての道路、すべての環境条件においてドライバーの安全を担保して初めて自動運転が実現したと言えます。

    しかしながら、現実的にすべての走行条件を考慮することはほぼ不可能と言っても良いかも知れません。走行条件の数は天文学的な数にのぼる上に、そのすべてに対応する必要があるからです。しかし、だからと言って自動運転の実現が不可能かと言うとそうでもありません。不確定な条件を一つ除外すれば短時間での実現は十分に可能です。

    その不確定な条件とは「人による運転操作」です。全ての運転操作を電子制御の判断に置き換えれば、不確定な条件を確実に取り除くことができます。

    ドライバーの体調、気分、性格は運転操作に大きな影響を与える一方、電子制御システムは常に同じ判断を短時間で正確に下すことが可能です。技術的な観点で極論を言えば、ドライバーの運転動作への関与を除外する(つまりドライバーレス)ことで技術的なハードルは各段に下がります。

    もちろん、ドライバーレスをいきなり実現できるほど簡単ではないのが自動運転の技術開発であり、10年単位での時間が必要でしょう。ドライバーレスに関しては賛否両論ありますが、この圧倒的に困難な技術開発に対して有効な技術的パラダイムシフトの誕生に期待しつつ、自動運転の技術開発の進化には今後も目が離せません。

     

    まとめ

     

    自動運転を実現するには、X-By-Wire技術の動作シーンの圧倒的な拡大が必要であり、その拡大には困難を伴うことは明らかです。

    自動車メーカー、IT企業それぞれ単独での開発ではユーザーにとって真に価値のある完全自動運転(Level 4)の実現は困難ですので、双方の強みと技術アセットを、会社の枠組みを超えて融合させていくことこそが、自動運転の実現のキーポイントになるのではないかと思います。また、その流れはすでにAlphabet(Google)が子会社化したWaymoの動向にも顕著に現れていますね。今後がますます楽しみです。

    _______________________________________________________________________

    ライター情報
    神野 研一
    自動車工学エンジニア

    国内自動車メーカーにて10年以上の開発経験を持つ。
    専門は車両運動CAE、走行系制御開発、電子信頼性開発、実験技術など。
    現在は英国に在住し、F1チームでVehicle Science Engineerとして活躍中。

  • トヨタがakippaと業務提携。自動車業界の新しい地平

    トヨタがakippaと業務提携。自動車業界の新しい地平

    2016年12月初旬、トヨタ自動車がスマホ向けの新しいアプリケーション「TCスマホナビ」をリリースしました。

    これまでにGPSの情報や車載通信機などを通じて車両から収集されたビッグデータに基づく独自の渋滞情報「Tプローブ交通情報」を掲載し、渋滞を回避するルートを案内する「T-Connectスマホアプリ」などを提供してきましたが、今回のサービスは一味も二味も違うようです。

    (さらに…)

  • 自動車運送事業者に必要な運行管理者の資格とは?

    自動車運送事業者に必要な運行管理者の資格とは?

    運行管理は事業用自動車の安心・安全を守るために必要とされる運行管理の業務。事業用の車両を持つ営業所は、義務として一定数以上の「運行管理者」を置くことが国で決められています。
    そもそも、運行管理者はどんな役割を担い、どのような目的において資格が設けられているのでしょうか?

    (さらに…)

  • 止まらぬ買収劇を見せるVerizon と「スマートシティの構想」

    止まらぬ買収劇を見せるVerizon と「スマートシティの構想」

    すべてのモノ、いや、モノを越えて街全体がインターネットでつながるようになるーー。
    IoTやクラウド、ビッグデータでヒトの生活環境がガラリと変わり、エネルギーをはじめビルや行政サービスまでもが「スマート」になるかもしれない?自動運転車両の現実化が目前となった今、街全体もがより便利になるスマートシティの構想が進んでいます。業務の効率化や生活の質の向上を目的として取り組まれているようですが、私たちの生活基盤となる「街」には、どんな未来が待っているのでしょうか?

    (さらに…)

  • 半導体メーカーNXPが見せる自動隊列走行技術

    半導体メーカーNXPが見せる自動隊列走行技術

    2016年、Ottoの自動運転トラックが長距離走行と配達に成功。さらに、時同じくしてNXP、DAFトラック、TNO、Ricardoも車間間隔が0.5秒という画期的なトラック隊列走行に成功しています。

    安全性と効率性など高い技術力を求められる自動隊列走行。そこにはどんな革新的な仕様や技術が隠されているのでしょうか。

    (さらに…)

  • Uberの自動運転車プロジェクトの現状 ~カリフォルニア州でのテスト走行中止~

    Uberの自動運転車プロジェクトの現状 ~カリフォルニア州でのテスト走行中止~

    いまや世界的に有名になりつつあるアメリカの配車サービス「Uber」。運営元のUber Technologiesは2016年12月にサンフランシスコにて自動運転車の実験を開始していましたが、カリフォルニア州のサンフランシスコ陸運局から公道を走ることは止めるように言い渡され、実験は中断。

    結果的にカルフォニアを離れ、アリゾナへと実験の場を移すことを決めたようです。

    わずか数年で既存の常識をぶち壊し、飛躍的な成長を遂げたUberですから、自動運転の分野でもどのように戦っていくのか非常に興味深いところ。そこで本稿では今回の騒動も含め、Uberの自動運転のプロジェクトについて紹介していきたいと思います。

    (さらに…)

  • インドのUber「Ola」の車載インフォテインメントアプリ「Ola Play」とは

    インドのUber「Ola」の車載インフォテインメントアプリ「Ola Play」とは

    ここ数年で一気に知名度をあげたスマホ配車アプリ「Uber」。

    同サービスは世界各国で展開を始めており、その先々でライバルと熾烈な争いを繰り広げていますがインド市場もそのひとつです。現地では「Ola(オラ)」という同種の配車サービスが有名なのですが、渋滞のために車内で過ごす時間が長い乗客に向けて、その「Ola(オラ)」から車内エンターテイメント(インフォテインメント)アプリ「Ola Play」がリリースされました。

    今回はその内容と今後の可能性について紹介します。

    (さらに…)

  • 米ニコラ・モーターの水素燃料電池トラック初公開に見る、トラック業界の変革

    米ニコラ・モーターの水素燃料電池トラック初公開に見る、トラック業界の変革

    米国の電気自動車メーカー、ニコラ・モーター・カンパニーが水素を燃料として駆動する大型トラック「Nikola One(ニコラ・ワン)」を、ユタ州ソルトレイクシティで発表。そこには600人以上の報道陣が詰めかけ話題となりました。

    今後、燃料電池車の開発・実用化が急速に進展していくとみられるトラック業界。気になる動向を追ってみましょう。

    ニコラモーターが公開したNikola One

    容量320kWhのリチウムイオン電池と燃料電池を搭載したニコラ・ワンは最長1200マイルの連続走行が可能。車重はディーゼルトラックに比べて約900kgほど軽く、その分、荷物を多く積むことができます。

    1000馬力以上の出力と2000ft.lbsのトルクを発揮、また、燃料電池でバッテリーを自動的に充電するシステムが備えられているので燃料電池からの充電が停止したとしても、満充電であれば100~200マイル(160km~320km)をバッテリーだけで走行できるといいます。そのバッテリーパックの構造は、テスラ社と同様の汎用「18650サイズ」のバッテリーセルを多数個連結しているそうで、バッテリーパックの容量は107 kWhで重量は1000lb(450kg)。
    こんなにハイスペックなのに、排出されるのは水蒸気のみ。嫌煙されることもありません。

    当面はリースのみで、その72ヶ月のリース料である月5,000~7,000ドル(約57万~80万円ほど)の中には、100万マイル(約161万km)分の水素燃料が含まれています。ドライバーは米国とカナダ南部の各地に建設を予定している364ヶ所の水素ステーションで水素を充填できるようになりますが、こちらは2018年から2019年にかけて設置を進める予定とのこと。

    最初のトラックは2020年に発売される予定で、ニコラ・モーターはトラック・メーカーのフィッツジェラルド・グライダー・キッツ社と提携を結び、最初の5,000台のトラックを製造することになっています。2017年半ばには10億ドル(約1,140億円)を投じたニコラの製造工場が完成予定とのこと。

    しかし、これらの発表はあくまでスタート地点に過ぎず、生産拠点が決まるのもこれから。まさに今、ニコラは本腰を入れて開発・製造に着手をするところに来たばかりなのです。

    低いコストで、空気だって汚さない。より良いキャビンのトラックを実現し、トラック界の変革を唱え、それを実現する勢力——それこそがニコラ・モーターズという企業なのです。

    三菱ふそうが発表したEV車

    22645137895_72d81ac3a9_k
    Photo credit : movilidadelectrica com-

    国内企業でも、電気自動車や燃料電池式のトラックの開発が着々と進んでいます。

    三菱ふそうは2016年4月にドイツで小型EVトラックの実証試験を開始。生産拠点があるポルトガルで1年間実施した実証試験で、1万キロ当たりの運用費用1,000ユーロ(約11万円)の削減を達成、4月からドイツのシュツットガルトに建築資材やごみ箱の運搬車として4台提供して坂道の多い地形での走行性能などを検証していました。

    同年9月にはドイツのハノーバーで行われた国際商用車ショーで積載量2―3トンの小型電気トラック「eキャンター」を報道陣を前にして世界初公開。

    eキャンターは容量13.8キロワット時のリチウムイオン電池を採用しており、輸送距離や用途に応じて搭載する電池の数を選択できるそう。2017年の後半から日本をはじめ米国や欧州で電気走る小型トラックを販売を開始します。

    最大走行距離は3トンの荷物を積んだ場合で100キロメートルを実現しました。日本の市街地を走る小型トラックの約8割の1日の配送距離は50キロメートル程度と、利用しやすいことが特徴、今後さらにeキャンターのようなトラックの需要は高まるのではないでしょうか。

    トヨタ、燃料電池技術を大型トラック車とバスへ

    jic_201812_1
    出典 : TOYOTA

    トヨタ社が20年以上開発に励み、2014年より販売を開始した 水素で走るクルマMIRAI(ミライ)。この技術を大型トラック(セミトレーラー・トラック)に応用するための調査をトヨタ自動車が始めました。2015年にはすでに水素電池燃料で走るFCバスの走行実証をはじめており、貨物輸送における「ゼロ・エミッション(廃棄物なし)」の実現を目指しています。

    トヨタによると、水素を充填したFCバスが1台あれば、学校体育館等の避難所に家電の電源として電力を供給することが可能とのこと。

    トヨタはほかにも2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて、東京都を中心に100台以上の燃料電池バスの導入を予定し、2017年はじめには東京都交通局の運行する路線バスとして走行を開始する予定。

    発売当初MIRAI(ミライ)は国内販売数を400台で計画していたところ、1ヶ月で約1,500台に上る受注を達成し、その後右肩上がりにのびています。米国でも販売後2か月で1,900台の受注を獲得。世界全体を見て環境に対する意識が強まっていることが伺えます。

    環境に優しいトラックが走るミライ

    トラック市場はこれまで、燃費が良く力強い走りができるディーゼル車が主流となっていました。

    しかし最近では排ガスや騒音の問題が後を絶たず、さらには消費者がオークションやamazonなどを利用は伸び、宅配での荷物受け取りは益々右肩あがり。このような状況から運輸業の早朝深夜も問わぬ体制が定常となってきているため、環境にも優しく、早朝・深夜でも静かに配送できる電気自動車や燃料電池で走行するトラックへの期待は高まりつつあります。

    しかし、一度の充電で走行できる距離には限りがあるため、その充電問題をどうするかドライバーの不安や心配事を解決していく必要があります。実質、政府の「水素・燃料電池戦略ロードマップ」では、2015年内に四大都市圏を中心に水素ステーションを100カ所程度整備する計画を掲げていましたが、整備は遅れている状況にあり、全国でも100基を満たしていません(2016年12月)。ガソリンスタンドのように、いつでも・どこでも・安心して充電ができる環境を整えていく必要があります。

    環境にも優しい究極のエコカー。水素や電気を補給するステーションのインフラがさらに整っていけば、水素燃料車がもっと身近に、そして一般化されていくことでしょう。

    EVやFCVのステーション普及における課題に関しては、先日の「電気自動車が一歩前進!主要メーカーが高速充電ネットワークを設置」というエントリーでも触れましたが、今後も目の離せない展開が繰り広げられそうです。

     

  • 【カーナビアプリの現状】Yahoo!カーナビがトンネル内で案内可能に

    【カーナビアプリの現状】Yahoo!カーナビがトンネル内で案内可能に

    日々進化するスマホ用カーナビアプリの中でも、無料で利用ができ多数のユーザーを抱える「Yahoo!カーナビ」。同サービスがアップデートされ、スマートフォン本体の加速度センサーに対応した、トンネル内案内機能が可能になったと先日話題になっていました。

    これまでも他のカーナビアプリでは対応されていたりするので、むしろYahoo!カーナビはずいぶん時間かかった方なのでは?という印象も受けます。

    今回はYahoo!カーナビを含むその他カーナビアプリの対応状況や今後の展開なども見ていきたいと思います。

    (さらに…)

  • 物流業界の現状と課題 – AIは物流を救えるか?

    少子高齢化やそれに伴う労働年齢人口の減少が大きな課題となっている日本社会ですが、なかでも大変な業界の1つが物流業界でしょう。

    ドライバーの高齢化が進む一方で、再配達や異常な配送スピード向上など過剰なサービスが求められる時代になってきています。そんな状況だからこそ、AI(人工知能)をはじめとしたテクノロジーに対する注目度や期待も大きいです。

    (さらに…)

  • 電気自動車が一歩前進!主要メーカーが高速充電ネットワークを設置

    電気自動車が一歩前進!主要メーカーが高速充電ネットワークを設置

    世界各国の自動車メーカーが一斉にEV(電気自動車)の大規模量販化に向けて動き出しました。

    いよいよ次世代の自動車用パワーユニットとして「モーターとバッテリー」が主流になりそうな流れですが、その裏では実用性を向上させるための「超高速充電」プロジェクトが活発に進んでいます。

    今回はEV関連の最新トレンドを紹介していきましょう。

    (さらに…)

  • 究極のノマドワーク?オフィス設備を備えた電気自動車「e-NV200 WORKSPACe」

    究極のノマドワーク?オフィス設備を備えた電気自動車「e-NV200 WORKSPACe」

    「自由気ままに好きな場所で働きたい」「たまにはオフィスから離れて外で仕事をしたい」

    徐々にではあるものの多様な働き方が広がるようになった昨今、以前にもの増してそのように考えている人も増えてきているのではないでしょうか。

    そんな方にとって、今回紹介する「新たな電気自動車のコンセプト」はまさに憧れの存在と言えるかもしれません。簡単に説明すると、オフィスの設備を備えた、どこでも仕事ができる電気自動車です。

    新しい働き方を模索する方は是非ご一読ください。

    (さらに…)

  • メルセデス・ベンツが手がけるカーシェアリングサービス「Croove」

    メルセデス・ベンツが手がけるカーシェアリングサービス「Croove」

    一昔前であれば一家に一台は車があって、車とは購入するもの、常に所有するものという印象が強かったでしょう。

    ですが映画におけるHuluやNetflixのように、定額で車を利用する権利を取得するサブスクリプション型のサービスやUBERなどの配車サービスが普及することで、ひょっとしたら車との関係性も変わってくるかもしれません。

    (さらに…)

  • スマホさえあれば充分!?ドライブレコーダーアプリ「NEXAR」の可能性

    スマホさえあれば充分!?ドライブレコーダーアプリ「NEXAR」の可能性

    画期的なサービスの登場によって、スマホ1台あれば様々な問題が解決されるような時代になってきた近年。自動車に関してもスマホでできることが増えてきています。

    その一例がドライブレコーダーです。ドライブレコーダーは小型カメラと記憶媒体、それに事故の衝撃を検知するGセンサーがあれば成り立ちます。それに通信機能まであれば事故通報までできるというもので、そうなるとスマホを転用するのは自然な流れ。

    今回は今注目されている、アメリカ発のアプリ「NEXAR」について紹介します。

    (さらに…)

  • 欧米とは違う?日本製コネクテッドカーのカラパゴス化

    欧米とは違う?日本製コネクテッドカーのカラパゴス化

    かつて日本の携帯電話市場は、世界的に見れば異常なほど高性能・多機能化したことによって国際的な市場とあまりにも異なる進化を歩み、結果的にスマホ市場に乗り遅れたガラパゴスケータイ「ガラケー」という言葉を生み出しました。

    (さらに…)

  • 次世代自動車のカギ!車とすべてのモノを繋ぐ「V2X」とは

    次世代自動車のカギ!車とすべてのモノを繋ぐ「V2X」とは

    日々新たな動きが生まれ、世間の注目を集める自動運転車の研究開発。

    実現が待ち遠しい自動運転車ですが、そのためには5G通信によるギガビット単位の通信技術が不可欠です。すでに存在するネットワークも含め、自動車各社やそれを管轄する機関は自動車用無線通信技術の向上に努力してきました。

    (さらに…)

  • テスラの発電する屋根など、今注目されるHEMSとは?

    テスラの発電する屋根など、今注目されるHEMSとは?

    太陽光発電に代表される発電システムの構築市場への注目度は、ここ数年高まり続けています。北米最大の太陽光発電国際展示会(Solar Power International)が今年9月に開催されましたが、国内外から1万8,000人以上が参加し、過去最高の動員数を記録しました。

    (さらに…)